2007国民春闘共闘情報
全労連HP

第42号・夏季第2号  2007年7月10日

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回答出揃い、平均70万円の攻防

パートも増額基調。0.75カ月分

 夏季一時金第2回集計  夏季闘争は山場へ

1.国民春闘回答集計センターは7月6日、各単産・地方共闘より6月下旬を中心とする夏季一時金回答報告を受けて第2回集計をおこなった。登録組合の75%にあたる539組合が回答を引出し、うち337組合が妥結している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 722組合      
(2) 回答組合数 539組合 回答引出し率 登録数の74.7%  
  2次回答以上 151組合 上積み回答率 回答数の28.0%  
  前年実績額以上 199組合 金額回答数の 56.1%  
  妥結組合数 337組合 妥 結 率 登録数の46.7%  
(3) [回答+妥結]        
  単純平均 539組合 2.08カ月+α 700,603円  
  前年同期比@ (06.06.16)   752,721円 −6.92%
  前年同期比A (06.08.08)   692,969円 +1.10%
  前年実績比 (同一組合)   695,632円 +0.71%
  加重平均 14.4万人   825,060円  
  前年同期比 (06.06.16)   814,815円 +1.26%

3.回答・闘争状況の特徴はつぎのような諸点である。
 1) 6月末の集中支給日を前後して、多くの労組が増額を要求しつつ交渉を重ねて回答を引き出してきた。大企業の「好調な夏のボーナス」などのマスコミ報道のなか、前回集計時(6月8日)以降、新たに回答を引き出してきたのは、検数労連、全証労協、特殊法人労連の3単産で、新規回答とともに上積みを引き出してきたのは、全農協労連、建設関連労連、化学一般労連、同・紙パ、建交労・運輸、全倉運、全労連全国一般、金融労連、日本医労連とマスコミ関係の各組合などである。こうして、登録28単産・部会すべての回答が出揃ってきた。また、支給日が6月29日や7月上・中旬に集中していることから妥結する組合も5割に迫っている。

 2) 回答状況の傾向は、他の調査機関の集計が単純平均で1.33%増(連合調べ)〜1.85%増(日本経団連調べ。大手)であるのにたいし、春闘共闘の集計は同一組合の前年実績比で0.71%増、前年同期比(06.8.08)でも1.10%増で、増額の流れを維持しているものの、引上げ率は微増にとどまっていることである。対比可能な28組織中、引上げ率がプラスになっているのは製造業のJMIU(6.85%)、建交労・製造(5.14%)、全国一般・製造(2.79%)、繊維産労(2.70%)、化学一般労連(2.22%)と、運輸・通信業の建交労・運輸(5.29%)、検数労連(12.53%)などの計21組織で、同マイナスになっているのはマスコミ関係業やサービス業などの7組織である。前年比プラスの背景には、第2次、3次の上積み回答を151組合が勝ちとり、業績が回復傾向にあるところを中心に199組合(56%)の組合が前年実績を上回ったことである。また、春闘につづきパートなどを含む「すべての仲間に一時金を」と、産業別統一行動を背景にした各組合の奮闘があげられる。

 3) 回答月数は平均2.08カ月で、同一組合対比では前年実績を若干下回っている。また、配分にあたって「能力・業績配分」の提案が春闘につづいて報告されている。
 4) 規模別集計では、1000人以上の大企業で6.53%の引き上げで突出しているのに対し、100〜299人と29人未満の中小・零細規模では、前年比マイナスになるなど、ここにきて規模別格差が鮮明になってきた。

 5) これまでの最高回答次数は第4次回答で、日本医労連の3組合をはじめ、JMIU2組合、全倉運、金融労連、全印総連各1組合の計8組合が引き出している。最高月数は民放労連の組合が夏季だけで5.5カ月分、出版労連の3組合も5.0カ月分。高額回答も出版労連の組合が285万円余を獲得、マスコミ関係や証券を中心に150万円以上が15組合報告されている。


4.パート等の夏季一時金について
 パート・アルバイト等の夏季一時金回答・妥結状況については、生協パート、日本医労連、全労連全国一般、全農協労連、建交労、全印総連、出版労連など10単産・2地方からのべ214組合の獲得状況が報告された。うち、時間給のパートは153組合平均で0.75カ月分(前年同期は0.74カ月分)になり、若干の支給増になっている。日給の臨時・嘱託・非常勤は53組合平均で1.02カ月分、月給の契約・有期などでは平均1.25カ月の回答・妥結状況である。
 傾向としては、各々支給額の計算が遅れているものの、正規労働者の集計結果が金額で若干のプラスになっているのに連動して、パート・アルバイトなどの集計結果も、前年比の支給月数が同月又は若干のプラスになっている。この春闘期には支給基礎の時間額・日額が引き上げられており、一時金支給額も増額が予測される。




5.他団体の集計結果について


連 合 7月05日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 3300組合 2.02カ月 515,259円 +1.33%
加重平均 194.9万人 2.40カ月 727,735円 +5.23%


日経連 6月27日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 大手142社   767,349円 +1.82%
加重平均     925,380円 +2.85%




 


 6.最賃・人勧と連動した今後の闘争強化について
 07夏季一時金は、期待された賃金引上げが不十分だったことに加え、定率減税の廃止、住民税の大幅引き上げが重くのしかかっており、労働者の生活維持・改善のために支給増が切実な要求になっている。また、消費購買力を高め真の景気回復に結びつけるためにも重要である。
 いま、ほとんどの単産・単組が決着期(「6月下旬」又は「7月上旬」)のたたかいを経て、75%の組合が回答を引き出し支給日を迎えた。未解決の組合の多くは支給日が7月中旬〜下旬で、もう一段の交渉強化などで上積みをめざし決着をはかろうとしている。
 また、今週の13日(金)から中央最低賃金審議会が07年度地域別最低賃金の審議を開始する。39年ぶりの法律改正が継続審議になったことから、抜本的な水準引き上げ論議を展開し始めた成長力底上げ戦略推進円卓会議(7月9日)も結論を先送りしており、従来の目安方式を主張する財界・使用者との攻防が展開されている。これに対して、「時間額1000円以上」をめざす全労連と国民春闘共闘、公務労組連絡会は共同して「7・25第3次最賃・人勧デー中央行動」を展開するのをはじめ、7月13日、20日、25日と8月3日(又は6日)の審議会、目安小委員会の開催に合わせた中央行動(厚労省前宣伝、要請、座り込み行進など)を取り組む。公務員賃金の改善を求める人勧闘争と同時期のたたかいとなり、官民一体の共同行動の大きなうねりをつくりだそうとしている。参議院選挙とも連動した熱い夏になろうとしている。



(以 上)





 
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