2004年国民春闘共闘情報
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第4号  2003年12月 2日

 

 ストップ!年金改悪・診療報酬減額

医療改悪で受診自粛、重病化を懸念

 写真
老人保健・退職者医療

拠出金は、せめて

25%以内に



 健保・国保・共済組合が学習交流集会ひらく    







 「第9回健保・国保・共済組合学習交流集会」が、国民春闘共闘と中央社保協の主催で11月27日、全労連会館ホールにおいて開催され、12団体・5地方から39名が参加しました。集会は、
1)各健保組合の予算編成、運営の民主化をはじめ老人保健への拠出金負担反対など情勢に応じた課題を学習・交流し、春闘や国会要請などに役立てる、
2)医療制度の改悪後に起きている診療自粛問題や統合・一元化問題、リストラ強行による組合員数の減少と予算編成などの交流を行う、
3)年金制度改悪反対闘争についての意思統一を行う
ことを目的に開かれたものです。
 国民春闘共闘は集会開催にあたり、「健保・共済組合活動に関する調査」を実施。その中間報告を本集会でおこないました。回答は官民41の健保・共済組合。調査によると保険料の労働者負担は35〜40‰が平均的、賃金抑制攻撃のなか労使負担割合3:7を死守している組合も多数あり、23組合(56%)が何らかの負担軽減をおこなっていること、老人保険と退職者医療への拠出金が最高で支出総額の49%にものぼる組合もあり、平均でも35〜38%も負担させられ自主財政が逼迫していることなどが明らかになりました。


リストラ・賃金抑制・倒産で各制度の財政ピンチ

 国分常任幹事が問題提起。02年春の医療制度改悪・本人3割負担反対の運動と、本年4月実施以降の受診抑制によって深刻な国民の健康破壊の実態を報告。各医療保険の現状についても、健保組合、政管健保ともリストラ・賃金抑制の結果、保険料収入の減少と老人保健・退職者医療への拠出金が収入の4割にもなることからくる赤字財政、リストラ・倒産などによる国保加入者の増加、国保の高すぎる保険料での未納者が5人に1人の割合となっているなど、各医療制度とも深刻な実態にあることを報告。予想される診療報酬の見直し、入院給食費・差額ベッド代負担など更なる制度改悪に反対していくこと、あわせて年金・介護・労災保険の改悪を紹介し、とくに年末の法案策定が予想される年金大改悪を阻止するために全力を挙げることを訴えました。


受診抑制、共済一元化、年金大改悪を解明

 特別報告は3本。最初に、保団連・中事務局次長が「健保本人3割負担となり、97年に2割負担が導入された時の受診率落ち込みをはるかに超える落ち込みが続いている」「今後、医療制度改悪として診療報酬の改定があり、特に入院時の食費の患者負担導入とそれを自衛するための差額ベッド代の新たな徴収などいっそうの患者負担の増大が予測される」と指摘。公務労組連・山谷委員が「公務員の共済一元化にあたっての民主的な検討がなされていない現状」を報告し「年金制度改悪反対闘争に組織を挙げて取りくむ決意」を述べました。
 全厚生・杉浦書記長は、予測される年金制度改悪の内容を紹介し「当局はこのままだと保険料は青天井になりますよと恫喝し、20%上限の保険料を導き出している。そこには、少子化など政策の不備を国民に責任転嫁する厚生労働省の無責任さにたいする反省は微塵もない」と批判、「国民還元率を欧州並みに上げれば、年金改悪をしないで財源は得られる」と指摘しました。全医労の北川書記長は国立病院「賃金職員」の雇い止め阻止闘争の経過を報告、支援を訴えました。

10名が発言。各組合の取りくみを交流

 ・生協労連 パート(20時間以上)の厚生年金適用問題で、労働者・事業主とも負担が過重になってくる。改悪されれば、1.7%保険料を上げなければならなくなるという試算も出た。なんとしても改悪を阻止したいと組合員の学習が広がっている。「年金パンフ」を有料で普及しているが、有料にもかかわらず4万部がはけた。かつてなかった取り組みになっている。

・出版労連 老人保健拠出金だけで28%にもなっている。国との関係でどう改善させるか、運動に反映してもらいたい。総報酬制の導入で健保収入が増えるかと思ったが、賃金・一時金とも減っているので思ったほど増えない。また、労働者側としては総報酬制の被害を回避するため、ボーナスを1回払いにしたり、新聞社は4回にして月々の賃金にならしてしまうなど苦心しているが、それに便乗してボーナスそのものを減らされてしまうという動きもある。

・全労働 7月の総合規制改革会議で、労災保険の「民間開放」と言う案が出されて検討が始まった。労災を自賠責と同じにしてしまおうというものだ。労災保険制度はそもそも未適用事業所にも強制適用され労災をなくす上でも重要な役割を担うものだ。民間開放によって、労災補償が受けられなくなったり、事業規模や事業の内容で格差が出る恐れがある。今後の調査も含めて全労働者的な反対運動の構築が必要である。当面、署名運動にご協力を。

・全気象 年金改悪反対闘争では、世代間や男女、女性同士の分断攻撃がマスコミでながされている。失業者をなくし、パートを正規にして現役労働者が高齢者を支えれば20万円の年金は今でも貰える。このことを世論にしていく必要性がある。また、パートの社会保険加入、生活保護、医療の無料化と年金水準… 問題は、憲法25条をどう政治に生かすかだ。

・自治労連、神奈川社保協 からは、高すぎる国保料ゆえの国保滞納世帯の増加と国保証取り上げを許さない住民と自治体職員の運動が報告された。また自治労連からは年金課税など控除が縮小されると住民税が上がり、必然的に国保料も5倍にあがる問題が指摘された。



年金大改悪阻止へ大きな共同ひろげよう

 討論のまとめ・国分常任幹事 

1)12団体・5地方から39名が参加し、特別報告と調査報告が4本と10名の発言があった。
2)企業年金や厚生年金基金の問題で学習会の開催、拠出金問題で厚労省交渉の要請があり、早急に具体化したい。
3)年金大改悪をめぐって発言が集中した。この課題は医療と同じように保守層を含めた共同が大きく広がる可能性がある。確信をもって大いにがんばりましょう。