2004年国民春闘共闘情報
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第 32 号  2004年6月25日

 

最賃引き上げ、マイナス勧告阻止!

6・22最賃デーに官民1000人

 厚労省前、25人が664分のハンガースト


 写真

 全労連、国民春闘共闘と公務労組連絡会は22日、「第2次最賃デー」「公務労組第3次中央行動」を実施、厚生労働省前から人事院前にかけて官民1000人が参加する要請行動を終日展開しました。
 地域最賃の全国平均664円にちなんで、25名の組合員が朝8時から夜7時過ぎまで11時間4分(664分)にわたって座り込み、「最低賃金の引上げ」「公務員賃金の改善」を求める訴えとシュプレヒコールが終日轟きました。
 この日、中央最賃審議会の第1回目安小委員会が開かれることから、単産・地方の代表や青年部、全労連役員ら25人が厚生労働省前でのハンガーストライキに参加。「全国一律最賃制の確立を」のノボリ旗が立ち並び、気温32度に達する強い日差しのなか、おそろいの黄色いTシャツを着込み、「許すな!最賃・人勧マイナス。せめて時給1000円に」「公務→民間→賃下げのサイクル断!」などのプラカードを手に座り込み、アピールしました(写真)。応援部隊が最賃ビラと年金ティシュをセットして配布しました。
 ハンスト座り込み開始に並行して、池袋駅東口、新宿駅西口、霞ヶ関・総務省前、虎ノ門駅、新橋駅SL前、飯田橋駅と後楽園駅の7カ所で早朝宣伝を実施。各単産や東京地評の役職員など200人が参加して最賃ビラ6800枚を配布しました。
 ハンストの光景は午後3時開催の目安小委員会に出席する公労使の審議委員が入・退出時に注視するなど効果満点の行動になりました。この日、これまで各単産と全国各地で取りくんできた「最低賃金の時間額1000円以上への引上げと、全国一律最低賃金制の法制化を求める要請」署名12万8245筆と同・団体署名4290団体分を厚生労働省に提出しました。

「生活できない最賃額の是正を」と終日の訴え

 午前中、パート・臨時労組連絡会による最賃リレートークには生協労連、全労連全国一般のパート労働者、公務の臨時・非常勤労働者らが参加。パートの育児休業取得の取りくみ(千葉)や公務職場での賃下げ・雇い止め阻止のたたかい(東京)、最賃体験のとりくみ(岡山)など、パート・非常勤のなかまが元気に最低賃金の引き上げをアピールしました。

 昼休みには厚労省に全労連カー、隣あわせの人事院前に全教カーを配置、民間単産の200人と全国からの参加者と近隣国公職場から800人以上の公務労働者が結集し、2台の宣伝カーを交互に使って、最賃・人勧課題でのエールを交換しました。
 情勢報告した全労連の寺間誠治総合労働局長は、最賃を引き上げる意義について、
1) 生活保護より低く、生活できない最賃額の是正、
2) 増え続けるパートなど非常勤労働者の処遇改善を強調、
審議日程の第2回=7月9日、
       第3回=7月16日、
       第4回・答申日=7月26日

に合わせて中央行動を取りくみ、最賃審議に反映させ労働者委員を激励しよう訴えました。

 決意表明で生協労連の代表は、北海道・札幌のパート組合員が時給650円を地域最賃の637円へと引き下げる攻撃をこのほど阻止したと紹介。「たたかいを通じて組合員が最賃引き上げの重要性を知り、1週間で9000人分の署名を集めた。札幌だけでなく全国の問題」と訴えました。

 夕方には最賃ハンスト激励の青年トークがもたれ、各青年代表から「最低賃金を引き上げろ!」「公務員賃金のマイナス勧告は許さない!」と元気な訴え、決意表明、即興のライブがつづきました。午後6時20分から座り込み行動終結集会を開催。25名すべての参加者が「ハラが減った」「暑さのほうがこたえた」などと言いながら、最低賃金の引き上げ、改善要求を実現するために664分断食してたたかい続けた意義をかみしめ、全員で記念撮影におさまりました。全労連の日下努青年部長がカウント・ダウンし、「5・4・3・2・1・完走!」と宣言すると、大きな拍手が沸き起こりました。



 
鋼材価格、最低賃金めぐり中企庁に要請・懇談

3500社・68業界団体に「下請単価への反映」を通達

 午後2時から4時まで、「中小企業経営と最低賃金の改善」に関する要求を持ち寄り中小企業庁に要請・懇談しました。
 国民春闘共闘・全労連と中小関係単産、東京春闘共闘、全商連の代表が参加し、
1) 一方的な単価の切り下げ、下請代金の支払遅延などの是正、
2) 異常な鋼材値上げの実態掌握と改善の緊急措置、
3) 最低賃金の改定にあたり、各種取引の基礎となる時間給を1000円以上に引き上げるよう厚生労働省に要請すること
――の3点をめぐっての意見交換となりました。

 中小企業庁から事業環境部取引課の山下善太郎課長ら5名が対応。原材料の価格動向調査(3月下旬)の結果について、「鉄鋼、非鉄金属などの川上産業は価格転嫁できるが、川下の自動車、家電産業では転嫁できない実態にある。これらの下請や鋳物、窯業、土石などの中間産業が苦しい」という実態を紹介、4月20日付で「原材料等の価格上昇に伴う下請事業者への配慮について」の通達を発し、価格上昇が下請取引の単価に反映するよう、下請中小企業振興法・振興基準の「取引対価」の規定にもとづき、親事業社3500社と主要業界団体68団体に特別要請したことを明らかにしました。

 組合側は、相変わらず下請単価・仕入価格の削減を強めている日本経団連会長のトヨタ自動車を行政指導するよう要請。全商連の代表は、大手スーパーの納入業者や運送業者などが総額表示になった消費税が転嫁できない、原材料費の値上がりが転嫁できないという独自の調査結果を示して、実効ある指導を求めました。最低賃金をめぐっては労働側から、町場の中小企業経営者が最低賃金額より100円、150円高い水準のパート時給で雇っている実態を紹介して、日本経団連などが主張する「支払能力論は当たらない」と批判して最賃引き上げに中小企業庁としても善処するよう要請しました。

 山下課長補佐は、「いただいた意見やレポートは行政に反映させてきた」「皆さんの要望も踏まえて中小企業対策を推進したい。今後も協力しあっていきたい」と総括的にまとめました。



 
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