2004年国民春闘共闘情報
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第22号・回答第4号  2004年4月13日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

加重平均で5976円、1.85%に

82組合が上積み、151組合が前年額上回る

 4月上旬の回答の特徴について 

2004年4月13日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは4月12日、2004年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より4月上旬の回答を中心とする第4回目の報告を受けた。この間は産業別統一行動が少なかったこともあり、回答報告があったのは22単産・部会であった。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 904組合      
(2) 回答組合数 315組合 引出し率 34.8%  
  うち上積み 82組合 上積み率 26.0%  
  うち前年実績額以上 151組合 回答数の 47.9%  
  妥結組合数 94組合 解 決 率 10.4%  
(3) 単純平均額 315組合 5,593円 同率 1.81%
  前年同期 317組合 5,575円 同率 1.78%
  前年同期比   +   18円   +0.03P
  加重平均額 7.0万人 5,976円 同率 1.85%
  前年同期 7.7万人 6,803円 同率 1.91%
  前年同期比   −  827円   −0.06P


 4) 回答状況の傾向について
 4月に入ってから、各単産の集中団交や統一行動は少ないものの自交総連(自教)と全信労が初回答を引出し、建設関連労連とJMIU、全国一般・製造、全印総連、出版労連、民放労連、日本医労連などが新規回答の引出しと上積み回答を同時にかちとっている。回答の特徴は、「ベアゼロ(定昇のみ)」と「回答延期」が多いものの、一部に「純ベア」が見られ、前年実績額以上(同額を含む)が47.8%に達するなど、きびしかった昨年とは一変した状況で推移している。しかしながら、回答引出し率は34.8%でいまだ4割に達せず、一部に賃下げ提案もあることなど、前年同期と同様の特徴もあわせもっている。
 315組合の単純平均は5,593円、1.81%となり、前回集計(4月3日)時点より72円ダウンしたが、一人当たりの加重平均は111円増加した。前年同期水準との比較では単純平均で+18円、加重平均で−827円となっている。加重平均の落ち込みが心配されるが、原因は
(1) 前年同期の1000人以上の回答組合と今回の回答組合が違うこと
       (今回は2000円未満の低い回答が先行している)、
(2) 一部に対前年−4612円の組合があること

の二点で、今後、大手組合の回答引き出しがすすめばマイナス幅は薄まってくると予測される。

 5) 各単産の特徴では、前年同期との比較が可能な20単産中、賃上げ額がプラスになっているのは広告労協、全労連全国一般、出版労連、全倉運、JMIUなどの11単産で、マイナスが8単産、プラスマイナス・ゼロ(同額)が1組合となっている。

 6) 規模別集計(単純)では、1,000人以上、300〜999人、30〜99人が対前年マイナスとなっており、100〜299人と29人未満がプラスとなるなど読みにくい状況にある。しかしながら、大勢としては中小が善戦し、大手が苦戦している傾向が表われている。なお、1000人以上の−1807円は、加重平均の落ち込みで紹介した二点と同じ原因で、今後、大手組合の回答引き出しがすすめばマイナス幅は薄まってくると予測されるが、大企業ほどきびしい状況にあることは否定できない。

 7) これまでの最高額は出版労連の組合の1万4771円(2.82%)。前年実績額との比較で、広告労協の組合の1万1500円は前年比+7464円である。回答次数では小坂研究所支部(JMIU)とクレシア労組(化学一般労連・紙パ)が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計23組合となった。


 3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月3日現在、連合の第2回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 前年対比
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 370 95.1 5,376 1.72 5,188 1.66 4,765 1.63 4,478 1.54
35歳P 30 7.1         5,181 1.82 4,957 1.74
30歳P 19 6.2         6,541 2.22 6,026 2.07

 2) 4月7日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 92 - 5,277 1.60 5,282 1.63 4,801 1.53 4,723 1.59



「4・15年金スト」で回答引き出し・上積みを

月末の闘争集中ゾーンで解決へ

 4.「4・15年金スト」と月末の闘争集中ゾーンについて
 国民春闘共闘・全労連では来る15日(木)に、今春闘最大課題の「年金スト」を決行する。すでに官民24単産・39万人と47都道府県15万人以上の結集が予定され、さらに共同をひろげて100万人規模の大闘争をめざしているところである。民間単産の多くは、回答状況に見られるように賃金闘争が未解決で、経済要求と結合したたたかいになろうとしている。
 この大闘争を経てもなお、近年の闘争経過からみて納得できる回答が提示されない場合も想定され、未解決を残したまま「春闘の流れ解散」は回避しなくてはならない。国民春闘共闘の第5回常任幹事会(4/08)は、こうしたことを加味しつつ全体で「4月決着」を迫ることから、26日(月)〜30日(金)の間を「闘争集中ゾーン」に設定したところである。

(以 上)





 

 

<次回の集計調査のお願い>

  次週は「4・15年金スト」のため、賃上げ集計の日程を若干ずらして調査します。

  第5回賃上げ回答集計は、以下の日程で行います。

  報告集中=4月16日(金)中。 集計作業=19日(月)。 発表=20日(火)予定

 



 
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