2003年国民春闘共闘情報
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第62号  2003年8月01日

 

「マイナス勧告」は絶対許さない!

 3500人で人事院を包囲 

公務労組連が中央行動&総決起集会・銀座デモ

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 公務労組連絡会と全労連・国民春闘共闘は31日、夏季闘争第3次中央行動をとりくみ、全国各地から参加した公務労働者ら3500人が人事院前で「マイナス勧告は許さないぞ」と決起したのをはじめ、関係省庁への要求行動、中央総決起集会・銀座デモなどを展開しました。
 人事院前では、29日から連日の座り込み行動につづき、昼休み時間に周辺を埋め尽くす大規模な要求行動を繰り広げました。
 主催者あいさつした公務労組連絡会の石元議長は「本俸・一時金・諸手当のトリプル削減の最悪勧告は断じて許さない。これでは、国民生活悪化の悪循環になる。この間、最賃・人勧の要求で官民の共同が広がっている。そのことを確信に最後の最後までたたかい抜いて、自分たちの手で情勢を変えよう」と訴えました。JMIU・生熊委員長が「地域最賃はゼロ答申が出され、このうえマイナス勧告では生活悪化はますます深刻になる。労働法制改悪反対のたたかいでは、世論とともにたたかえば要求は前進することを証明した。民間労組もともにたたかう」とエールを送りました。
 情勢報告した国公労連の小田川書記長は「各種手当の削減など『在庫一掃セール』ともいえる改悪だ。マイナスの調査結果が出たから下げるのでは、もはや代償措置とは言えない。脱法行為の賃下げ遡及は何回繰り返しても脱法行為だ。最後の最後まで、ねばり強く、愚直に、要求実現へたたかおう」と呼びかけました。
 参加者は、人事院前(パート2)、総務省前、財務省前、文部科学省前に分かれて要求行動を繰り広げ、午後2時過ぎから日比谷野外音楽堂の中央総決起集会に再結集しました。
 集会では、全労連・大木副議長が主催者あいさつ、農民連の笹渡事務局長が「農民もマイナス勧告には絶対反対です」とのべ、小泉内閣のコメ改革を糾弾しました。公務各単産の発言&パフォーマンスでは、青・赤・緑・黄・ピンクに身を包んだ国公宣隊「訴えたんジャー」(兵庫県国公=写真)の熱演などがつづき、最後までたたかいぬく決意を固めあいました。
 銀座パレードは、夏休みの親子連れなどが行き交うなか、「デキシーランブラーズ」(音楽家ユニオン)の軽快な演奏や「訴えたんジャー」のビラ配りなどがひときわ注目を集めました。


 <最賃闘争> 各地方のとりくみ (2) 

 宮城  第3回宮城地方最賃審議会を傍聴して

賃金室長が「現在の最賃は低すぎる…」と報告

 宮城民医労・副委員長 只埜斉  

 7月29日、第3回宮城地方最低賃金審議会を傍聴してきました。まず第一に、傍聴枠10名に対して4名(高教組寺沢氏、全通信井上氏、高橋事務局長、只埜)の参加では、私たちのこの問題に対する取り組みについて、まず反省しなければならないと思った。
 今回の審議会は、7月24日に中央最低賃金審議会が新年度の地域別最低賃金改定目安について答申『目安の「金額に関し意見の一致を見るに至らず」、公益委員見解および目安小委員会報告を地方最低賃金審議会に提示するものになった。そして、地方最低賃金審議会において「公益委員の見解を十分参酌され、自主性を発揮されることを強く期待する」とされ、公益委員見解では「引き上げ額の目安は、各ランクとも0円」』がおこなわれた直後の開催となり、審議会での議論が注目された。
 審議会では、賃金室長が「意見陳述、要請書(私たちの団体署名)も考慮し‥‥」と述べたのは初めてのことのようでしたが、これまでの労働局交渉のつど、賃金室長が述べてきた「現在の最賃は低すぎるし、実質的にもその賃金で働いている労働者はいないという資料やその内容を意見陳述などで示してほしい」と、宮城の最低賃金の引き上げを何とかしたいとする賃金室長の意図を垣間見ることができた。使用者側委員の見解では、「公務員賃金も引き下げられており‥‥」と、昨年はじめて引き下げられた公務員賃金を引き下げの根拠に求め、「最賃アップは直接中小企業にとってコストアップにかかる大変なダメージになり、企業の存続に関わる。据え置きに留まらず現実を直視し専門部会で議論したい」と述べておりました。より具体的な議論は専門部会で行われることとなっており、今後は専門部会の傍聴を求める取り組みを強める必要があると思います。
 最後に、もしかすると私たちの推薦した布間きみよさんが座っていたかもしれない労働者委員の千葉裕子氏(イオン労組北日本ブロック書記長)の動向を注視しておりましたが、限られた中ではどのような方なのかは窺い知ることはできませんでした。今後の活躍を期待し、審議会の動向を常に追っていきたいと思いました。

 (宮城県春闘共闘会議・春闘速報第126号より)  


 東京  階層の違い超えて共同

東京春闘共闘会議などがシンポジウム

 小泉内閣の「構造改革」路線が国民にひどい被害をもたらしている実態をリアルに出し合って共同しようと、東京春闘共闘会議、農民連、東京商工団体連合会(東商連)などが呼びかけたシンポジウムが27日、東京都内で開かれ、約120人が参加しました。
 国学院大学教授の小越洋之助氏は基調報告で、「『構造改革』の名で膨大な社会的弱者が政策的に作り出され、『痛み』はもっぱらその層に押し付けられている」と指摘しました。
 パネリストは、東商連副会長・国分稔氏、全労連パートネット事務局次長・八谷真智子氏、首都圏青年ユニオン書記次長・阿久津光氏、農民連副会長・真嶋良孝氏、全国生活と健康を守る会連合会会長・島田務氏、公務労組連絡会事務局長・若井雅明氏、年金者組合東京都本部・浦田義典氏、中小企業経営者の立場から国安晋三郎氏の八氏。「階層の違いを超えることのできる共同の軸となる要求にはナショナル・ミニマム(国民の最低生活保障)の観点が必要」(島田氏)などの報告がありました。
 会場からは、東京下町の小中学校で就学援助金受給が急速に増えている実態が出され、「地域と生活が破たんさせられようとしている」と報告されました。全労連の最賃切り下げ反対のハンストに参加した青年からは「正社員でも200万円から300万円の年収。生活を支える所得の最低限の保障は僕たちにとってまったなしの要求」(警備会社勤務)との切実な訴えが出されました。

 (しんぶん赤旗・7/29付より)  


 千葉  最低賃金生活 挑んでみたら苦行

千葉労連青年部 1カ月間 11人中8人脱落

食事抜きも「文化的生活送れない」

 体重8キロ減、ビールの代わりに水。千葉県労働組合連合会(千葉労連)青年部のメンバーが今月22日までの1カ月間、県の最低賃金(時給677円)で生活体験し、いかに苦しかったかをまとめた。参加者は「これでは健康で文化的な生活が送れない」と最低賃金アップを訴えた。
 千葉労働局が昨年決めた最低賃金で一日8時間、月22日働いたとして月収約12万円と想定。税金や家賃、電話代などを差し引き、残りの3万円弱で生活した。11人が参加してスタートしたが、次々とリタイヤ。限度額内で1カ月生活できたのは男性2人、女性1人だけだった。
 看護師の岡本大さん(29)は、86キロだった体重が78キロに減った。食費を切りつめるため、朝昼の食事を抜くこともあり、仕事中に立ちくらみすることも多かったという。
 同労連専従組合員の中河哲男さん(31)は職場に弁当を持参。普段はすぐ手が伸びるコンビニのお茶代わりに、自宅からペットボトルに水を詰めて持ち歩いた。「おからいりハンバーグ」など、食費切りつめのための新メニューも考え出した。
体験者がまとめた報告書には、「化粧はしなかった」「CDやビデオは我慢」などの生活実態が記されている。
 栄養士からは「必要カロリーの半分しか摂取できていない」「副食が少なすぎて美容と健康にダメージがある」などの指摘があった。

 (朝日新聞・7/25付より)  


 富山  審議会を傍聴。署名9590名分報告される

アンケートハガキの赤裸々な記述も配布、紹介

 7月29日午前、富山第一生命ビル二階での第4回審議会は今年最初の公開審議。小谷議長、黒田事務局長、嘉地事務局次長の三人以外に傍聴人はいませんでした。
 桜井審議会長が7月24日の中央審議会の「目安報告」を求めると、労働局の賃金室長が、書類を読み上げ、労使双方の意見が一致に至らず、公益委員と目安小委員会の見解として、「各ランクともゼロ円」となったことを報告しました。
 また、富山県労連から最低賃金の改善を求める署名9590筆が提出されていることを実物を示して紹介、前文・要請項目とも読み上げ、さらに、アンケートハガキで回収されている切実な生の声についてもコピーを配布の上、要点を紹介し、県労連からは、この審議会に出席して意見陳述したい旨の要請が再三に渡っていることも報告されました。
 審議会は報告への質疑段階から非公開。民主化はまだまだです。しかし、とにかく危惧された「マイナスの目安」だけは回避されました。これからは1円でも富山で上げさせることです。昨年は1円アップが17県。富山は目安どおり据え置きでした。644円を3年続けさせることだけはなんとしても阻止しましょう。
 春闘いらいの皆さんの奮闘で、国あての署名は29日段階で1万1066筆に達しました。このあと、「例年どおりなら3回の委員会を開いて答申、10月実施には8月6日答申が前提」などとしていますが、据え置きなら「10月実施」を急ぐ必要もありません。県内署名を最後まで追及しましょう。

 (7/26付・富山県労連最賃闘争ニュースより)  


 愛知  「最低賃金を引き上げて下さい」

名古屋で、パートの女性ら座り込み

 愛知県労働組合総連合は25日、最低賃金の引き上げを求めて、愛知最低賃金審議会が開催されている名古屋合同庁舎前で宣伝と座り込み行動をしました。
 座り込みに参加したパートで働く女性は「愛知の最低賃金は時間給で681円です。これを基準にするので私の時給も700余円で毎年の昇給も数十円です。そして920円で頭打ちなので10年以上働いても時給は変わりません。最低賃金を必ず上げて下さい」と訴えます。
 県最低賃金審議会は中央最低賃金審議会の最低賃金引き上げの目安「ゼロ」答申を受けて、据え置きの答申をしました。

 (しんぶん赤旗・7/26付より)  


 大阪  「大阪労連の意見を聞くこと」を排除

使用者側の引き下げ論に労側が反論

 大阪最低賃金審議会が、7月29日午前10時から大阪労働局で開催され、使用者側委員2名欠席、公益委員1名の遅刻という出欠状況で行われました。
 中央最低賃金審議会の目安答申、公益委員見解、目安小委員会報告が労働局課長より審議委員会へ伝達され、委員の意見を聞きました。
 労働側委員からは、「昨年も問題のある目安が出され、憤りを感じる。労働側見解を以下の3点に整理する。(1)政府の政策努力が見られず、デフレを促進している。最賃の政策努力が見られない。(2)生活保護、高卒初任給から、民事再生法では最低賃金として標準世帯で21〜30万円とされ、単身者はこの半分としても15万円は必要。(3)社会的公正、均等待遇との位置づけで、目安ゼロは納得できない。「最賃凍結しても6割の企業が税金を支払わない」「生活保護以下では脱税と、勤労意欲がなくなる」などと説明しました。
 使用者側委員からは、「不満が残る。最賃を決定する三つの要素のうち、(1)生計費は物価がマイナス。(2)類似の労働者の賃金は半分以上が賃金凍結で実質下がっている。(3)支払能力からみるとGDPがマイナス。30人未満事業所の賃金改定調査・第4表がマイナス0.1だから目安がゼロは不満」などと意思表明。
 労働側から「物価が下がっていると言うが可処分所得は下がっている。中小企業は単価をたたかれ、金融関係の融資は滞っている。岡山では1円入札が行われた」などと反論しました。
 公益委員からは、時間がないので後の専門部会(非公開)で話し合ってくださいとの意見があり、「昨年は目安の提示がなかった。今年はゼロと出た。どう判断するか」との疑問が出ました。
 論議の途中に事務局から、大阪労連が6月4日(323団体)と7月8日(398団体、11万130名の要請署名、要請ハガキ509通)に提出した意見書等の報告・閲覧を行い、大阪労連推薦者から直接意見を聞くこととの要請にはその場で審議事項となりましたが、労働者委員、使用者側委員の『従来どおり』の意見の後、公益委員長から「意見陳述の場を与えなくてもよいことをこの場で確認する。専門部会も従来どおり非公開とする」などと、民主的運営を差し控える宣言を行いました。

 (大阪春闘共闘ニュース 7/31付より抜粋)  





 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復