2003年国民春闘共闘情報
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第24号  2003年3月13日

 

各単産が第1次回答を引き出す

129組合の単純平均5324円に

 国民春闘共闘に結集する18単産は12日、回答指定日(JMIUは第2次)をむかえ、単組交渉、集団交渉で回答引出しに奮闘しました。これまでに、日本医労連、建交労、JMIU、生協労連、民放労連、出版労連、地方マスコミなどから回答報告が寄せられました。大企業組合の「ベア要求なし」や経営側の賃下げ逆提案、中小企業では長期不況・デフレ下の業績悪化などを反映して、きびしい回答状況となっています。若干のベアと「定期昇給」(1.8%程度)を確保したところもありますが、賃下げ・定昇カットの逆提案、業績給導入の攻撃が見られ、回答延期が増えるなど労働者の生活実態や要求を無視した回答に、組合員の怒りが広がっています。
 こうしたなかで、四桁・1000円を超えるベアを実施したり、定昇込みで5桁・1万円以上の回答もあり、今後の要求前進につながる回答も引き出しました。13日午後3時現在の回答状況は、9単産129組合の単純平均で5324円1.75%(前年同期比825円減、0.22P減)となっています。

 

 3・13  ストや抗議行動に全国40万人が決起

賃上げと、重税反対・医療費・イラク問題かかげ

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 本日13日、03春闘第4波全国統一行動をむかえ、官民27単産がストライキや時間内外の職場集会、地域決起集会を展開、47都道府県では重税反対統一行動への参加をはじめ、スト職場の激励、社前・街頭宣伝行動などを実施しています。全体では、約40万人が決起する怒りの大行動になりました。
 国民春闘共闘・全労連の役職員も13日、早朝から全員が通信労組、建交労鉄道、JMIU東京東部などの支援・激励にまわり、国会前での座り込み行動、夕方の有楽町マリオン前宣伝行動に奮闘しています。
 本日、ストライキを中心にたたかっているのは、日本医労連、通信労組、JMIU、建交労鉄道本部、出版労連などで、一部がストライキに突入しているのは生協労連、全印総連、民放労連などです。公務の各単産は、職場集会(国公労連、自治労連、全教)や、民間スト職場の支援、宣伝・ビラ配布、地域の重税反対統一行動への参加などに奮闘しています。NTT持株会社前では早朝8時から通信労組のストライキが決行され、周辺労組、国公労連の本部と各単組、全労連役職員らが支援に駆けつけ、2次にわたる社前抗議行動が実施されました。



 
賃上げ要求に対する第1次回答の特徴について

2003年3月14日●国民春闘共闘委員会

 1.3月12日の集中回答日に、回答集計センターに登録する931組合中、13.9%に当る129組合が第1次回答を引き出した。
  国民春闘共闘に結集する各単産・単組は、1月から始まった春闘前段の諸行動を一つひとつ成功させ、政府、自治体、財界、業界団体などに「雇用・くらし・いのち・平和」に関わる要求実現を迫り、労働諸条件の改善、中小企業の経営環境の改善を追求してきた。また、経営者に対しては、集中回答日にむけて粘り強く回答確約行動・事前交渉を積み重ね、回答日翌日の3・13全国統一行動ではストライキを含む抗議行動を背景に交渉を追い上げつつ、第1次回答を引き出したものである。

2.全体としては、大手組合の「ベア要求せず」、経営側の「定昇・退職金削減」などリストラ・人べらしと一体となった春闘攻撃の悪影響や、中小企業における長期不況・デフレ下の業績不振・赤字、社会保険料の使用者負担増などの影響を受けて、かつてない超低額回答が寄せられた。単純平均で5324円、1.75%、ひとり当りの加重平均では5692円、1.82%の水準となった。
  03年度は、平均的なサラリーマン世帯で、社会保険料と税金の新たな負担増が年間10万円弱、1カ月当り約8000円も計画されており、この水準では労働者の生活がマイナスを余儀なくされ、とうてい容認できない。

3.一方、登録組合の回答状況には、今後の賃金闘争に望みをつなぐ成果や特徴がいくつか見られた。
 1)回答拒否・回答延期が目立つなか、前年同期と同数の129組合が回答を引き出したこと。
  発表直後に寄せられた14組合を含めると、昨年を上回る回答引き出し数となる。
 2)「定昇半額」など定期昇給への攻撃も一部に見られるが、これを許さない賃金学習と粘り強い交渉で、単純・加重ともほぼ定昇分(1.8%前後)を確保しつつあること。
 3)前年同期比で単純平均が825円減、0.22ポイントの減になったが、マスコミなどの当初予測よりもマイナス幅をくい止めていること。
 4)5桁・1万円以上が9組合、9000円台が5組合や、前年実績との対比でプラスが41組合(同額6組合を含む)見られること――などである。



 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復