2002年国民春闘共闘情報
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第40号・回答第8号 2002年06月03日

単純平均5816円。2回連続の上昇

建設関連・金融など回答、加重は足踏み

 5月下旬の回答の特徴について 

2002年5月31日●2002年国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表

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1万円以上の回答

1.春闘回答集計センターは5月31日、2002年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より5月下旬段階の回答を中心とする第8回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の30単産と8地方共闘である。

2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 950組合      
(2) 回答組合数 513組合 引出し率 54.0%  
  うち2次回答以上 160組合 上積み率 31.2%  
  うち前年実績以上 105組合 回答数の 20.5%  
  妥結組合数 271組合 解決率 28.5%  
(3) 単純平均 513組合 5,816円 同率 1.90%
  前年同期 630組合 6,567円 同率 2.17%
  前年同期比   −  751円   −0.27P
  加重平均 14.8万人 7,171円 同率 1.99%
  前年同期 15.6万人 7,537円 同率 2.27%
  前年同期比   −  366円   −0.28P

(4)5月中、下旬の動向について
 5月闘争は、先行してきた単産でも未解決が多く、後続の単産でも賃下げの先制攻撃を受け、産業別統一闘争など反撃しているが、ひきつづききびしい闘いが続いている。こうしたなかで今回は、建設関連労連をはじめ、全信労、地銀連、銀行労連の金融単産、広告労協、映演共闘のマスコミ関係と日本医労連などから新規回答が報告された。これら新規回答の特徴は、これまで同様に、定昇制度のあるところで「ベアゼロ」(定昇のみ)が多く、定昇制度がないところでは超低額が目立っている。また、一部では「1万円前後の定期昇給」を死守した報告が同時に寄せられた。また、これまでに160組合が第2次〜第6次の上積みをかちとり、105組合が前年実績以上をかちとった。しかしながら、妥結したのは235組合で全体の28.5%にすぎないのが実態である。
 こうしたことから、単純平均は5816円(1.90%)で、前年比751円(0.27P)の減ながら、前回集計時(5/16)に比べ7円上昇し、5月に入り2回連続して上昇傾向を示した。一人当たりの加重平均は7171円(1.99%)、前年比366円(同0.28P)減で、再び下降傾向に逆戻りし、引上げ率が2%の大台を割り込んだ。こうしたなか、産別として解決の方向にむかっているのは出版労連、地方マスコミ(新聞)、化学一般労連・紙パ、全倉運、建交労・鉄道、検数労連の6単産・部会で、建設関連労連、JMIU、化学一般労連、自交総連(自教)、建交労・運輸、全損保、全印総連、広告労協などでも妥結する組合が増えている。

(5)これまでの最高額は広告労協の組合の17,800円。前年実績額との比較で京都生協労組(生協労連)の1890円は前年がマイナスだったこともあって+16,919円である。回答次数では朝日新聞労組(地方マスコミ)が第6次の上積み、大泉製作支部(JMIU)、医学書院労組(出版労連)、全商業太陽分会(全国一般)の3組合が第5次の上積み回答を引出している(ここまでは前回と変わらず)。「1万円以上」の回答は計38組合となった。1万円以上の回答



3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 5月09日現在、連合の第5回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 643 137.0 5,374 1.73 6,028 1.96 4,439 1.55 5,190 1.84
35歳P 47 11.6         5,493 1.93 5,905 2.08
30歳P 46 13.8         6,439 2.40 6,523 2.44


2) 5月28日現在、日経連労政部調べの回答+妥結状況は以下のとおり(大手は最終)。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 193 - 5,249 1.59 6,365 1.93 5,327 1.66 6,390 2.01
中小企業 240 - 3,601 1.38 4,656 1.80 3,104 1.22 4,317 1.68


夏季一時金と結合し粘りづよく賃上げを

医療改悪・有事法制…悪法阻止。会期延長許すな

4.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘に結集する各単産はこの間、5月20日の中央メーデー会場問題裁判の傍聴(東京地裁)、22日、29日に定例の国会前座り込み行動(衆・参議員会館前)、22日夜の「がんばれ船橋信金の仲間」職員の全員雇用をめざす決起5・22集会(船橋勤労市民センター)、そして24日夜の「STOP!有事法制5・24大集会」(明治公園に4万人以上)などを取りくみ、各々成功のために奮闘してきた。あわせて、夏季一時金の要求提出をすすめている。
 たたかいは6月闘争に突入した。国民春闘共闘は31日、参加単産に対して「終盤国会へむけての取りくみ強化について」の緊急FAX連絡を送付した。当面する6月上、中旬段階の国会闘争強化を要請したもので、悪法阻止、会期延長許すなの課題で、5日(水)、13日(木)の国会前座り込み行動、13日夜の日比谷集会・デモ行進、16日(日)の「陸海空・港湾20労組・宗教者などの呼びかけによる大集会」への積極参加を呼びかけている。
 6月段階のたたかいは、現時点でなお7割の組合が6月にたたかいを持ち越しており、金融・保険や私学の春闘も本格化してきた。6月第1週から第2週にかけて、夏季一時金の回答指定日が集中する。賃上げ以上にきびしい状況もみられるが、「一時金は生活給」「賃上げで抑えられた分を取り戻そう」を合言葉に、各々産業別統一闘争などを構えて回答引出しをはかろうとしている。また、最賃・人勧期のたたかいも近づき、各単産・地方共闘ごとに6月17日から21日のゾーンで「第3回最賃デー」の取りくみ(中央・東京は20日)が準備されているところである。

(以 上)