全労連第27回定期大会 2014年7月27日〜7月29日
全労連第27回定期大会議案討論 第2日 午前

秋田県労連  佐々木 誠輝

JMIU文化シャッター秋田支部の取り組みと春闘のとりくみについて述べる。賃上げがないと将来が不安という声や子育てなどに関する労働者の切実な願いを含めて、大幅賃上げを求める声が大きかった。ストライキは、数回決行することができた。地域労連などから支援を受けて、粘り強く展開し、6年ぶりに定期昇給も実施させた。パートは時給1040円を実現した。規約を改正し非正規が組合に加入することによって、10名だった組合員が15名になり、組合員は8割になった。

いわて労連  中村 健

復興補助金を食い物にする大雪りばぁねっとでの解雇問題で、LU山田分会の闘いが勝利した。自治体職員・建設などで労働力不足、最賃の引き上げと公契約がカギになっている。建設組合の要請が力となって公契約条例制定に向けて県も動き出した。復旧のメドがたっていないJR山田線・大船渡線の鉄道網再建課題でJR本社要請、国交省との懇談などを進めている。今秋には岩手復興一揆2014に取り組む。

福島県労連  斎藤 富春

安倍内閣の暴走の一つ一つが県民感情を逆なで、傷つけている。7月16日原子力規制委員会による川内原発に対する新規制基準に適合判断は安全神話の復活で認められない。福島ではいまだ12万6千人が避難生活を続け、関連死は1735人で増え続けている。福島第一原発は事故収束とは程遠く、汚染水問題は東電任せで解決のメドは立っていない。全国の皆さんへのお願い3点。1、原発即時ゼロ100万人署名への協力。2、10月9日告示の県知事選挙への支援。3、集中復興期間は来年度で期限。福島の復旧はこれから。岩手、宮城も含め集中復興期間の延長が求められている。

国公労連  青柳 亨

政府が強行した給与臨時特例法による賃金の減額措置は違反だとして、国公労連と組合員が提訴した。裁判では、政府内部文書の開示を実現させるなど、政府の狙いや不当性を明らかにすることができたと思っている。賃下げ反対の署名は、国公労連としては近年になく多数、33万筆を集約し、それによって運動も発展した。しかし政府も学習し、今度は人事院勧告に基づいて賃下げしようとしている。人事院は給与の総合的見直しを狙っているが、その波及効果は大きい。民間経済、給与への影響は避けられない。月末に座り込みでたたかう。

特殊法人労連  岡村 稔

独立行政法人通則法改正が短時間の審議で改悪された。連合は評価しているが、国民の権利侵害と、労働者のリストラが進むのではないかと不安を感じる。公務の民営化が一層進む。世界一高い学費、奨学金、それを返せない低賃金が若者の貧困を広げる元凶。給付費制奨学金の実現が重要。請願署名などに取り組んでいる。累計20万筆集めた。この運動の中で国際人権規約の中等・高等教育無償化条項の批准を認めさせた。しかし安倍内閣は高校無償化を廃止し所得制限を導入した。教育無償化へ向けて取り組みを進める。

日本医労連  三浦 宜子

日本医労連は14春闘で、医療・介護労働者の賃金が低く抑えられる中、4万円の統一要求を掲げてベア獲得にこだわって闘ってきた。「こんなに賃金について議論したことない」各組織で要求討議や賃金とは何かの学習会が繰り返し行われた。手作りで賃金要求の動画をアップするなど多様な運動が広がった。結果は例年とあまり変わらなかったが、要求討議や学習、産別結集を強め17年ぶりにベア獲得した組合や、粘り強く交渉し、全員のベアを獲得した組合などが生まれている。非正規については昨年を上回る58組織が時給引き上げを勝ち取っている。来春闘ではこの教訓を踏まえ、要求討議や賃金学習を強め、医療介護報酬の引き上げなど制度改善含め闘っていきたい。

滋賀県労連  山元 大造

知事選挙の支援に感謝。残念ながら期待には応えることはできなかった。3候補が出馬する3つどもえのたたかいだった。当初は自公候補の圧勝と言われていたが、7月1日から潮目が変わった。安倍政権の暴走に対する不安が滋賀県民のなかに広がったと思う。結果、自公候補は落選した。県民の審判が下ったと思っている。私たちは戦争する国ノー、原発再稼働反対、琵琶湖を守れ、新幹線新駅より暮らしにに予算を、と主張してたたかった。このたたかいの教訓を生かして、今後も大きく運動を展開したい。

長野県労連  菅田 敏夫

8月10日投票の知事選の取り組み。現職の知事は前回の民主・社民・連合の推薦から自民・公明・民主、社民、維新、結いの党のオール与党体制で再選を目指している。私たちの闘いで争点がはっきりしてきた。第一は県政の課題。子供と障害者の医療費窓口無料化の課題。未実施10県のひとつが長野。署名に取り組みで県民世論を広げ、県政に期待することの第二位にまで押し上げた。第二には安倍政権への審判。集団的自衛権講師容認に怒りが広がっている。77自治体中46自治体で反対、慎重審議を求める意見書が採択された。県知事の「決められない」「何も言わない」態度に不満が広がり、新たな共同が広がっている。連合幹部からも相乗り候補に乗ることに批判・慎重論が出るなど情勢が変わりつつある。

郵政産業ユニオン  兼子 隆

春闘アンケートは8000人の組合員と職場労働者から集め、それに基づき要求を決めた。スト権投票は、77.44%でスト権を確立し、それを背景に6回の賃金交渉をおこなった。会社は、経営状況が厳しい、株式上場への基盤整備を理由に正社員1000円、月給制契約社員2000円の引き上げ回答だった。断じて受け入れないとして3月18日全国28職場でストライキ実施し、全国で1000人を超える組合員が行動に結集した。賃上げについて上積み困難だったが、正社員の追加採用の成果があった。期間雇用社員の均等待遇求める中で、時給制契約社員と月給制契約社員が労契法20条に基づく裁判闘争に立ち上がった。5月8日に東京、千葉、愛知で、6月30日、大阪、兵庫、広島の9人の組合員が20条に基づく均等待遇求め裁判提訴した。

広島県労連  門田 勇人

3月14日、広電支部が春闘決起デモを開催、県労連も参加した。この広電支部の十数年ぶりのデモは、NCの違いを超えて200人が参加、そのうち90人が広島県労連だった。県労連、単産そして単組など20を超える組合旗と広電の旗がなびいた画期的なデモだった。しかし連合は参加しなかった。労働者の要求の本質はナショナルセンターの別なく変わらない。これからもたたかおうと挨拶した。発言の2点目はメーデー。広島の中央メーデーでは、県労協と互いに挨拶を交換した。県労協は「労働組合が主義、主張、過去の経緯を超えて共同行動しよう」と発言した。3点目はマツダ派遣切りのたたかいについて。マツダと和解した。

東京労連  米田 徳治

全国産別として結成以来、春闘の闘いについて議論を進めてきた。東京には本社が集中している。全国で3890人の参加を得て要求実現宣伝を行ってきた。電気事業者6団体に交渉と申し入れを行い、現場から寄せられた生の声をぶつけた。当局もこういう声は初めて聴くという。しかし、リストラが始まるとCSRを言っているにも関わらずひどいことを強行してくる。電機情報ユニオンは組合員拡大を進め、連合組合と競合しつつ運動を進めたい。闘いの中で隔離部屋をなくすことも実現してきた。これからも全労連とともに闘いたい。

国公労連  矢野 芳彦

2009年12月末に社保庁解体に伴い525名もの職員が解雇された。昨年末にすべての事案が判定され、提訴した71名中25名、うち全厚生組合員35名中10名が処分取り消しを勝ち取った。ひとえに全労連本部で闘争支援体制を組んでいただき、地方労連、単産の物心両面のご支援の賜物だ。解雇4要件を満たしてないばかりか、年金記録問題など長年にわたり蓄積された社保庁の年金問題のツケを末端労働者に押し付けたもので許されない。いま全厚生裁判闘争に立ち上がっている。北海道、秋田、東京、愛知、愛媛、京都。京都は9月29日証人尋問3月判決だ。解雇自由化にストップかけるためにも何が何でも勝たなければならない。署名など引き続くご支援をお願いし、私からの発言とする。

検数労連  光部 泰宏

今の港湾政策は、金のかかるハードな整備ばかり進めている一方で港湾労働者の賃金労働条件はいっこうによくならない。港湾労働者には定昇制度もなく、賃金引き上げがないと暮らしていくのは大変。適正な港湾料金がなければならない。大手船会社、荷主に適正料金を求めないとだめ。港湾産別である全国港湾は、14春闘をたたかうにあたり、他組織と共闘することが大事だとして、3月の港湾団交のあと23日、全国で24時間ストで立ち上がった。労働組合に加盟していない人も仕事しなかった。その結果、港湾労働者の賃金が久しぶりにアップした。定年制65歳にむけた指導も勝ち取った。

全労連全国一般  青池 香子

資生堂の争議への支援に感謝。アンフィニに解雇・雇止め無効の一部勝利。非正規切りの裁判で敗北が続いたが、勝利を得たことは大きいが、資生堂の責任を認めなかった点では不当。神奈川労連・全労連女性部をはじめ、全国の支援があっての勝利。闘いは続くので引き続き支援を。全国で20〜30の争議を闘っているが、たたかいに立ち上がるのは困難だ。方針の中で争議支援をもう少し積極的に位置づけてほしい。
最賃闘争、今年も冬から、中小企業再興と最賃引上げをセットにした署名を使って経営者団体を訪問・懇談を行い、支持も拡げている。最賃引上げは急務だが、特定ナショナルセンターだけが審議員を出せるのは、問題。来年の最賃審議員選定で我々の候補者が全員落とされる事態が続くならば、裁判を起こすことも含め、事態を変える運動を作ることを全労連に期待している。

山形県労連  勝見 忍

山形市は議会に公契約条例案を提案。制定されれば初めての県庁所在地での公契約条例となり、県内外に影響与えた。3回にわたり継続審議とされ、今年6月議会で退席2人、17対15の僅差で否決された。一部業界関係者のかたくなな反対とそれを支持基盤とする自民党が反対した。山形県労連は署名や議員の説得活動に奮闘した。とりわけ建設労組と懇談を深め取り組んできた。10月には野田市の根本市長を呼んで集会をし、業界関係者や反対議員も参加した。今の市長は再提出しないと言っている。来年の統一地方選挙での議員構成の変化も見て、議員発議による提案を考えている。

福祉保育労  澤村 直

集団的自衛権を閣議決定した安倍政権は「社会保障は自助自立が基本」と言って、国民、労働者に自己責任を押し付けている。その結果、福祉労働者のなかにまでゆがんだ考え方が進んだ。いま社会福祉、社会保障について問いなおすときだと思う。幸福追求権を前提に国が存在するはず。国民、労働者の権利として資本主義のなかで個人の努力では解決できない部分をカバーするために社会保障がある。自民党は権利には義務が伴うと言うが、社保は憲法25条で保障されたものであり、国が責任を負うべきもの。私たちの「福祉は権利三カ年計画」を国民に訴えたい。福祉の職場は人材不足。長時間労働、労働時間が守られない実態が蔓延し、ブラック化している。人材不足を補うため、田村厚生労働大臣によると20時間程度の経験でお母さんに保育してもらう、技能実習生で外国人に介護担わせるなどという。私たちは怒りに満ちている。人材確保運動に協力を求める。

年金者組合  田島 茂

昨年6月の定期大会で1%の年金削減に対する不服請求運動に取り組むことを決め、これと組織拡大を結合させ、双方を成功させるという立場で運動してきた。組織拡大では、48支部増、8000人を迎え入れ、2211人以上の純増を勝ち取ったが、まだまだ不十分。不服請求運動は、実質40日間の不服請求期間に12万人が運動に参加した。今年の組織拡大方針では組織の大躍進を狙い議論をしてきた。今春の泊まり込み交流会には1700人が参加し、組織拡大方針を確認した。7000人の拡大を実現し、12万組織の建設を方針に運動してきた。不服請求に参加した未組織年金者対話運動を提起したが、なかなか成果は出ていない。拡大は独自のむずかしさがあるが、年金の課題は全ての世代の問題。皆さんと共同協力で、5か年計画(20万組織建設)を進めたい。

宮城県労連  安藤 満

あれから3年4か月、宮城の被災地の状況は、貧困にあえぎ限界に直面している。仮設住宅に22000戸4万人が居住している。みなし仮設住宅に15000戸37000人が住んでいる。県外避難者8000人、9万人近い被災者があの日を引きずりながら生活している。
仮設住宅は2年を想定している。家が傾きめまいなど体調を崩す、部屋中カビが発生し呼吸器障害に悩む人などが大勢いる。地元の反対を押し切って巨大な防潮壁を築き、大手コンサルに500億円を投じる構想を実施。水産特区を使い、生産合同会社を立ち上げたが赤字経営を余儀なくされている。宮城では知事が創造的復興を叫んだが、結局、惨事便乗型ビジネスの別名であり、ゼネコン大企業により巨大な利益をもたらすもの。被災地の復興を軸に労働法制、最賃闘争に全国の皆さんと共に戦う決意を述べて発言とします。

長崎県労連  鳥巣 雄樹

8ページのローマ法王の使徒的勧告について、個人的に本を購入し読んだ。労働者使い捨て社会を厳しく批判していたが、理解が少し違うと思っている。補強をお願いしたい。建交労おおとり運送と光洋商事分会の裁判について述べる。2つの裁判も会社を廃業しなければならないほど危機的な状況になく、解雇を回避する努力がされていないことが明らかになった。引き続き早期解決に向けて協力と支援をお願いする。2つ目、諫早湾干拓農地で不法に就労させられていたインドネシア人についての報告。時間外賃金が支払われていなかったうえ、隠ぺいを企んで、分からないよう計算を複雑にして本人たちが分からないようにした。管理団体に組合結成を通告し、未払い賃金が支払われた。日本での労働の対価をインドネシアで受け取ることになった。いま社長を告発している。外国人労働者実習生は、大使館や自治体も一緒になって利用しているのが実態。3つめ、インターネットの利用は、急速に拡大するべき。スキヤなどの情報はネット上でたくさんとびかって拡散したが、労働組合のプレゼンスは確認できなかった。私たちは労働相談の活用をネット上で訴えている。未組織労働者に対するとりくみをソーシャルメディア通して活発にした。

佐賀県労連  稲富 公一

自衛隊のオスプレイ17機が佐賀空港に配備される方針が出された。あわせて沖縄の海兵隊オスプレイと陸自ヘリ部隊が佐賀空港に一時的に移動することも発表されている。対中国政策で佐賀空港が軍事基地化されている。緊急の抗議行動を組織し、多くの仲間が参加している。佐賀空港は軍事利用しないことを約束し、開設した経緯があり県内の批判が高まり、県労連への期待も高まっている。
介護の総がかりに取り組み。7月5日に60名の参加で学習会を開催。準備段階で800事業所を訪問した。集会で1名が共済に加入したいと加入。管理職が共済制度の説明会を職場に来てしてほしいと言ってきた。スキルアップ・共済制度・資金が必要。仕事にやりがいを持っている人が多い介護職場。労働条件が悪くなっても組織率が自動的に上がるわけではない。労働者は長く働きつづけたい、会社に認められたいという要求を持っているのではないか。その要求に寄り添いつつ、社会情勢を伝え、労働者性を育て職場のリーダーを育てる必要がある。