全労連第27回定期大会 2014年7月27日〜7月29日
全労連第27回定期大会あいさつ

2014年7月27日
全労連議長 大黒 作治

 全労連幹事会を代表して第27回定期大会開会にあたってのご挨拶を申し上げます。
 大会代議員、傍聴者の皆さん、14春闘を大幅賃上げと最賃1000円以上の実現を求めて果敢に闘い、「格差と貧困」の解消を求め、労働法制改悪に反対する闘いに中央と地方で奮闘していただきました。国民運動の分野でも一点共闘の軸になり、安倍内閣の暴走政治をストップさせるために、かつてない規模で国民的共同を発展させるために奮闘されていることに深く敬意を表します。また、お忙しい中、私どもの大会に激励に駆けつけていただいた各団体の皆さんに感謝申し上げます。

 さて、今大会が全労連結成から25年目、四半世紀を迎えようとする中で開催されることをみなさんとともに喜びあいたいと思います。
 全労連第27回定期大会の任務は、まず第1に、「新自由主義」と「軍国主義復活」を併せ持つ安倍内閣の暴走政治をこれ以上許さないための闘いの意思統一を図ることです。
 第2次安倍内閣が発足して1年半、発足当初から国防軍の創設など自民党の改憲草案を前面に押し立てて、9条改憲のために、96条の3分の2条項を2分の1以上にすると打ち出しましたが、「姑息すぎる」と国民多数の反発にあい、安倍首相は昨年の参議院選挙前に「据え置き」を表明しました。しかし、参議院選挙で自公が多数を獲得したことから、秋の臨時国会で、「国家安全保障法」「特定秘密保護法」を国民多数の反対意見を無視して強行成立させ、昨年末には武器輸出三原則の見直し、1兆2千億円上積みした「新防衛大綱」を策定しました。そして、4月から消費税を8%に引き上げ、「医療・介護総合推進法」の成立、「地方教育行政法」の改悪など暴走政治を繰り返しています。また、この間「安保法制懇」を立ち上げて、「集団的自衛権」の行使容認は憲法の解釈変更で可能と提言させ、7月1日に閣議決定したことはご承知の通りです。
 集団的自衛権の行使容認を歴代の内閣が「憲法に抵触する」としてきたのは、憲法9条で歯止めがかけられてきたからです。あの侵略戦争と国民の犠牲によってつくられたこの国の平和を、一内閣の勝手な解釈で再び「殺し、殺され合う」戦場に子どもたちを駆り出させるわけにはいきません。
 国民も黙ってはいません。閣議決定直後から内閣支持率は急落し、直後の滋賀県知事選挙では当初優勢と伝えられていた自公推薦の官僚候補が落選し、政権内部のショックは深刻だと報じられています。
 今後、8月の長野県、10月の福島県、11月の沖縄県知事選挙、そして来春のいっせい地方選挙へと地方から安倍暴走政治をストップさせる闘いが続きます。争点は、集団的自衛権行使容認への態度にとどまらず、福島では原発ゼロ・再稼働反対、廃炉と完全賠償が、沖縄では普天間基地撤去・辺野古への米軍基地建設反対など国政と直結した課題を抱える知事選挙です。とりわけ沖縄知事選挙は昨年1月、オール沖縄で提出した政府への「建白書」実現の立場から、保革を超えて翁長(おなが)那覇市長擁立の準備が整えられつつあり、沖縄知事選挙勝利は一気に政局へと発展する可能性を秘めています。それだけに、早くから全国の大きな支援を訴えるものです。

 第2は、「新成長戦略」の柱と位置づけられている「労働法制の全面改悪」は働く者への重大な権利侵害と雇用破壊であり、解雇、失業に反対し、社会保障解体攻撃と闘う「全労連大運動」を大きく発展させることです。
 安倍首相は財界に「世界一企業が活動しやすい国」にすると公約して、「国家戦略特区」を具体化し、秋には、先の国会では廃案となった「派遣法」の改悪や限定正社員制度の導入、新成長戦略に盛り込まれた「新たな働き方」で「労働力の流動化」や「新たな労働時間制度の創設」を狙い、「残業代ゼロ」や「過労死」を促進する「労働法制の全面改悪」を推し進めようとしています。横行するブラック企業根絶と合わせて「労働法制の全面改悪反対」の闘いを組織の違いを越えて、大きく発展させることが必要です。また、公務員賃金の改悪で人件費削減と時の権力にすり寄る公務員づくりを許さない取り組みも重要になっています。
 私たちは、ILOが提唱する「ディーセントワーク」を追求し、「生活できる賃金と人権が保障される」「良質で安定した雇用」「雇用の基本は正社員」という当たり前の状態を国民的世論となるよう取り組みを強めてきました。この間、旧社保庁の分限免職の不服審査請求で人事院は35%にあたる職員の分限処分を取り消し、「マツダ」の派遣切り裁判では、山口地裁の画期的判決を軸に勝利的和解を勝ち取るなど全国的な闘いと支援で「解雇自由化」攻撃を一定押し返してきました。しかし、6月3日と5日にはJALの不当解雇に対する東京高裁の不当判決がだされ、日本IBMの「ロックアウト解雇」など不当な解雇や不当判決が続いています。これらの裁判は、有期雇用への大転換や解雇自由化を狙う政府、財界の後ろ盾があることは明らかであり、JAL争議団への最高裁上告での支援を強め、日本IBMの「ロックアウト解雇」撤回などすべての争議解決にいっそうの支援を訴えます。
 今年の春闘は、自動車、電機、鉄鋼など大手に6年ぶりのベア回答があり、若干の企業で中小企業や未組織、非正規労働者に波及したものの、消費税引き上げによる生活防衛や購買力を向上させるまでには至りませんでした。2000万人を超えたといわれる非正規労働者に直結する最低賃金改善に向けて、最賃審議会や各地方審議会に大幅引き上げを求めて闘いを強めたいと思います。最低賃金をめぐる動向は、ドイツで来年1月から時給8.5ユーロ=1190円に改善され、アメリカのファストフード労働者の主な都市でストライキの敢行、中国、東南アジアでは多国籍企業のストライキなどで大幅な最賃引き上げが勝ち取られています。
 日本でも最賃が動き出したことは事実です。しかし、10年前は、AランクとDランクでは106円しか開きがなかったものが、昨年はAランク869円、Dランク664円と205円もの格差が付きました。引き続き、均等待遇と全国一律最賃制を実現する闘いを一層強めなければなりません。同時に、首都圏で広がってきた公契約適正化運動は、福岡県直方市や相模原市など地方へと広がる動きを見せ、最賃引き上げと結んで全国的に地域経済再生、仕事起こし、まともに暮らせる賃金・権利の確保に向けて拡充することが重要になってきました。
 大会議案は、これらの課題を実現するためにも、2年間の基本課題を、一つは労働法制改悪反対、社会保障改悪反対闘争と結んだ「全労連大運動」の継続、二つは500万筆を目標にした「かがやけ憲法署名」と秋の「憲法キャラバン」を軸とする憲法闘争の強化と国民的共同の発展を提起しました。
 さらに戦後70年の来年は、NPT再検討会議が開催され、代表者派遣とすでに「核廃絶の国際交渉開始」を求める署名も取り組まれています。全労連の中には、保育、教育、医療、介護や看護など毎年100万筆以上の署名を集める単産がいくつもあります。「憲法署名」や「核兵器廃絶署名」の目標実現に向けていかに力を集中するのか、ぜひ活発な討論で補強していただきたいと思います。

 そして第3は、要求闘争と一体で組織拡大「中期計画」にある150万全労連への確かな道筋をつける組織拡大運動に挑戦することを位置付けました。「全労連大運動」を確実に発展させるには、全労連組織の拡大・強化、次の世代の成長と学習運動の強化が不可欠です。
 全労連の現勢は、110万人です。この1年間では、各産別・地方の皆さんの奮闘によって11万人以上の組合員の拡大につなげ、拡大数では過去最高です。実数でもこの3年間毎年2万人から3万人の減員が続いていましたが、1万3千人の減員であり、明らかに、減少傾向に歯止めがかかる時点に差し掛かってきたとみています。この勢いをさらに発展させ、1日も早く増勢へと転じ、中期計画にある150万全労連の目標達成にみんなで努力しようではありませんか。
 私たちは、絶えず労働者・国民の中にある「貧困と格差」の実態の告発、もっとも困難な状態にある労働者に目を向けた賃上げや最賃の大幅引き上げ、公契約の全国展開など目に見える成果を勝ち取り、雇用創出と雇用の安定など働いて人間らしく暮らせる制度を政府に求め、広範な労働者との総対話と共同を地域から積み上げることを追求してきました。全労連の組織拡大・強化もこの課題の中にこそ可能性はあると思います。この挑戦課題は、どの産別も地方組織も日常的に踏み出している課題であり、一点共闘との連帯を強め、「働くルール」の確立に向けた闘いのなかで、組織の拡大・強化を位置付けて奮闘することが重要です。
 また、次世代の方々の成長には学習運動が欠かせません。経験豊かな役員の皆さんと次代を担う人たちが一緒に社会の変革の法則を学び、人間らしく生きるための条件を勝ち取るために闘うことや労働運動の面白さが発見できればおおいに展望が見いだせると思います。

 最後に、来春はいっせい地方選挙の年です。消費税10%引き上げの10月に控え、その撤回と大幅賃上げを求める2015年春闘とも重なる中での闘いです。
 自衛隊法の改定など「集団的自衛権」行使の具体化の立法措置、消費税増税と社会保障の改悪、原発再稼働、TPP、オスプレイの配備など、安倍内閣の暴走政治をストップさせるためには、暮らしと平和を守る一大国民運動を大きく発展させるために、全労連が先頭に立つ時です。戦後最悪の「安倍内閣打倒」を掲げる一大国民運動と結合して、壮大な闘いに発展させようではありませんか。
 「希望に輝く未来のために」と誕生した全労連の原点に立って、大会代議員の皆さんの活発な討論と次代を担う新しい役員体制の確立をお願いして挨拶といたします。