全労連第26回定期大会 2012年7月29日〜7月31日
全労連第26回定期大会議案討論 第1日

1.福島県労連 斉藤富春

 東日本大震災と原発事故から一年5か月たった。県労連は福島復興共同センターの事務局として奮闘している。「18歳以下の県民医療費無料化」を実現した最大の教訓。福島県民は持続的で発展可能な社会を選択し、県内原発の全機廃炉を県の方針とさせた。
 大井原発の再稼働を決定した政府に怒りがわく。再稼働を決めた野田首相の会見の福島の呼びかけの中で「記憶が残る中」と言っていた。福島は記憶でしかないのか。事故原因の解明もされず、いまだに16万人の県民が県内外への避難を強いられている。 国会事故調の調査も明らかな人災と指摘している。
これからの運動では一つは仮設住宅訪問、そして、掘り起こした要求を政府や県と交渉すること、新聞意見広告の取り組みをすすめる。

2.茨城労連 丸山俊介

 日本で初めて原子の火がともった県である。原発立地の東海村は3分の1が原発で働いている。経済の落ち込みを心配する住民もいる。老朽化が進んだ原発であり22年の耐用年数を超えている。安全な原発ない。
 署名をつみあげて絶対廃炉にむける。来年には県知事選挙がある。原発ノ―の知事を選出したい。署名の取り組みを広げていくし、広がりが展開している。組織中心から個人で発展をとげている。組合では、関わっていくのが難しい。連携を広げるのはどうしたらよいのか考えている。原発の火がともった茨城県から原発を廃炉にしたい。

3.しまね労連 都田哲治

 島根原発は県庁所在地にある日本で唯一の原発。さよなら原発署名は6万筆。ゼロの会の署名は2万筆集約し、知事に「事故原因が判明しないと再稼働認めない」と言わせる大きな力になった。「原発再稼働反対」を3市町議会で採択させ、「核廃棄物を何年も保存することは無理」という市長もでた。しかし「原発再稼働問題が一定の解決に向かている」と知事が言った。大きく運動を作り直さなければいけないと思っている。
 7月10日の中国電力との交渉では「原発ゼロをめざせ」と要請。中国電力は「原発の必要性を理解してもらえる努力している。選ぶのは利用者。オール電化は県の15%」などと言っている。9月2日は2万人規模で大集会を行う。
 消費税増税・TPP参加反対・原発ゼロの運動を強めていく。

4.長野県労連 菅田敏夫

 原発のない長野でも原発問題では共同が広がり、連絡会を結成した。3・11には長野県内でも様ざまな取り組みが行われた。連絡会と市民団体の共同開催を行うことにした。15の地域で開催し、全県で6000人以上参加した。実行委員会としては解散しても共同は継続している。このような中で4年連続で県労連組織は増勢。高教組でも、長野日赤でも新採者の加入が進んでいる。組織拡大の取り組みが様変わりしてことには意識的な努力がある。高教組では歓迎会で先輩が寄り添って話を聞くことを重視し、希望と不安を持っている新採用者の多くが加入。県労連として介護ユニオンの結成を準備している。

5.映演労連 金丸研治

 3・11の大震災と福島原発は遅々として復興がすすまず、日本社会は変容した。被災地元の復興をうちだし生存権をかけたたたかいを構築してきた。産別ストライキも決行し、要求実現に全力をむけてきた。大飯原発の再稼働・税一体改悪など悪政のかぎりでいまこそ生存権がおびやかされているときはない。映画産業は厳しい状況におかれており、マーケットの収縮、消費税増税は入場料金に転嫁できず、息の根を止められる。生存権は、経営者の横暴もあり、アニメ産業にとっては過酷な労働条件にある。名探偵コナンの制作職場はひどい状況にあり、東京地裁に訴えたえたたかっている。劣悪な労働条件とアニメ産業がかかえている病理。残業代という理念がない。経営者のみならず、非常識が常識となっている。産業全体の改善が必要である。200万円に満たない低賃金で働く若者は体を壊す。ぜひ映画産業への支援をおねがいしたい。パレードは行進の名称で行列で市内をねり歩くこと、デモは示威行為である。アメリカ財界いいなりで国民生活破壊がおこっている。いまこそデモが必要であることを呼びかける。

6.兵庫労連 津川知久

 復旧復興のとりくみは昨年3月12日、加盟組織に対し「菅内閣へ真の救援・復興策を迫ろう」というところから始まった。昨年3月27日、兵庫県民集会を開催し2500人が参加、今年3月11日には「あれから1年集会」を行い2500人が参加した。また、12月8日「原発なくせ」の県民集会を持ち、「原発なくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」を結成した。
 運動方針の、3つの組織原則、「構造改革路線にしっかりと対峙する姿勢」には賛成。福祉国家の文言が消えていることに違和感を覚えた。国民的な合言葉として、大和言葉でやわらかく入れ込むことを希望とする。

7.静岡県評 林克

 昨年2回のひまわり集会を開催。2月に県民連絡会を作って運動をすすめ、連帯する地域の会も21生まれている。3.11行動、5月14日浜岡停止一周年行動はマスコミにも大きく注目された。7月16日には静岡からバス22台1000人の参加。7月20日には金曜行動ということで若者中心で、TwitterとFacebookで呼びかけて輪が広がっている。静岡でネットで参加がひろがるか?とおもったが、100人も参加している。なくす会のような機動的運動とカンパニア的幅広い運動の両方が欠かせない。使用済み核燃料の処理のめどが立たない限り浜岡再稼働は認めないという県知事の強い意見表明もあり、自治体レベルの運動も進んでいる。中央と切り結ぶ運動と同時に地元の再稼働を縛る運動提起が必要。
 最賃は静岡の目安は4円。県評として1360円と最低生計費を計算しているので、当面1000円でさらに要求を強めていく。審議会の日には必ず宣伝し傍聴して、その後さらに宣伝をする。最低生計費体験に取り組んでいる。1360円の要求の正当性を証明したい。貧困と格差を解消するために、今後も奮闘したい。

8.熊本県労連 柴田勝之

 ルネサンスコンダクターで請負として働いてきた。会社は11の工場売却と閉鎖を打ち出し、裁判でたたかっている。私が働いている工場も3年以内の閉鎖と売却にはいっていいる。たたかいも2年4カ月を向かえたが、11月9日には判決が出る予定だ。8000筆の署名を提出してきた。上積にむけて頑張っている。裁判の闘争基金と原告の生活基金にも感謝する。いま高裁の基盤作りを進めているところだ。この間の裁判のたたかいをまとめた本を7月23日出版することができた。内容は原告3名の裁判への思いや全労連の井上・寺間両氏も執筆を寄せている。派遣法が成立したが、2つのシンポジウムも記載しており、読み応えのある本になっている。労働者が意思を全うするためには絶対に意思を曲げないこと。最後までたたかう決意だ。

9.大阪労連 嘉満智子

 将来に展望が持てない中、大阪ダブル選挙では多くの非正規・若者が維新の会に投票した。昨年6月、非正規労働者部会を結成した。正規、非正規が一体になって非正規問題に取り組むことが目標。職場では非正規の労働条件改善に向けたとりくみが広がっている。職場のたたかいとともにディーセントワークをの強化を求め先頭に立って頑張っていく。

10.通信労組 宇佐美俊一

 全労連が闘争本部を作ったこの10年のたたかいで、違法脱法の制度を廃止させたことへの感謝を申し上げたい。7月で135か月連続、計490人の組合員を迎えている。まだ配転問題では静岡事件が最高裁でのこっている。勝利を勝ち取って再度NTTに謝罪させたい。制度は廃止されたが、賃下げされた労働者の賃金は戻っていないし、配転された労働者がまだ戻っていない。新たに50歳以下の労働者の賃金を引き下げて、その原資で継続雇用の賃金を作り出そうとしている。この10年2兆1千億連の内部留保を積み上げ、株主配当は8割増し、役員報酬も4年間で総額7000万円増加している。すべての犠牲は労働者へという経営姿勢を断固粉砕しなければならない。避難場所や公共施設の公衆電話の再設置も進んでいる。NTTの溜め込み利益を海外投資、拠点の投資だけに使わせるのではなく国民や関連企業の社員に還元する運動を今後も全労連の一員として頑張りたい。

11.長崎県労連 藤田久美子

 長崎の縫製工場ではたらく5人の中国人実習生が裁判に訴えている件について報告する。派遣・ブローカーの不正の温床。数々のセクハラや恫喝に対して、彼女たちを保護し裁判の準備を進めてきた。すでに会社は倒産し破産している状況であり、入国管理局は「裁判に勝っても賠償金を取ることはえきない」というが、すでに中国に帰って結婚・出産した彼女たちは、「裁判でお金をとることよりも、後輩たちのため、裁判に絶対勝利したいし、支えてくれる支援者に感謝し、毅然とした態度で対応したい」と。研修生時代の録画録音には社長のセクハラや脅す言葉。セクハラ、暴力は人権侵害だ。夢をもって中国から働きにでてきた彼女たちにとんでもない仕打ちだ。裁判は11月で結審し3月までには判決が出る予定だ。署名の取り組みで原告たちの願いを、ブローカーに対しては断罪するためみなさんのへのご協力を呼びかける。

12.大阪労連 菅義人

 大阪維新の会が、国政に進出しようとしている。維新八策の「自立する個人、自立する地域、自立する国家」は、小泉構造改革以上の市場原理主義、最も過激な新自由主義だ。憲法9条など改憲手続きの要件緩和、首相公選制、参議院廃止などの改憲を真正面から唱えている。職員基本条例は公務員を全体の奉仕者から下僕にし、教育基本条例は政治が教育に介入する仕組みづくりの独裁政治、恐怖政治だ。この具体化の思想調査と政治活動制限条例は市民生活を守るために奮闘している労働組合をつぶす攻撃。労働組合攻撃はすでに民間労働組合、そして全国にも波及し始めている。
 関西財界に忠実なのが維新の会の正体。大阪労連はこれと正面からのたたかいの中心的な役割を果たしてきた。かつてない共同が広がり、50の地域で地域連絡会が結成され、24万筆の署名が集まった。労働組合つぶしとのたたかいに勝利する決意を述べて発言とする。