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全労連第25回定期大会 2010年7月21日〜7月23日

すべての争議の早期解決をめざす特別決議(案)

写真 いま日本社会は、新自由主義との決別を迫る労働者・国民と、雇用をいっそう不安定化させ「構造改革」の継続を主張する政府・財界との激しいたたかいが繰り広げられている。
 非正規労働者が急増し、貧困と格差が広がる深刻な事態の一方で、大企業は政府の手厚い庇護のもと利益を回復し、その内部留保は過去10年間で218兆円も増やしている。にもかかわらず、更なる高利潤体制を作り上げるため、憲法・労働法をも無視した異常なリストラ攻撃が労働者・労働組合にかけられている。
 このような情勢のもとで、安定した雇用と暮らしを求めるたたかいは日本列島全体に広がり、団結と連帯の力によって、会社の無法な仕打ちを糾し、多くの争議の貴重な勝利解決を勝ち取ってきた。
 1987年の国鉄分割・民営化で国鉄清算事業団に移され、その後解雇された1047名の全動労・国労組合員らの不採用問題は、本年6月28日、最高裁で勝利的和解を迎えた。これにより、全労連が「日本労働運動再生の環」と位置づけ争議総行動の中心課題として闘ってきた国鉄闘争は政治的にも法的にも決着を得ることとなった。
 さらに、NTT11万人リストラは、50歳定年制、賃金・労働条件の一方的不利益変更と遠隔地配転など違法行為に対する裁判闘争が最重要局面を迎えており、さらなる闘いの強化が求められている。
 08年以来の「非正規切り」の嵐は、トヨタ、日産、マツダ、いすゞなどの自動車をはじめ、キヤノン、東芝、IBM、NEC、ソニーなどの電機・精密機器に広がり、ローカルユニオンや単産に結集し、地方・地域の支援を得た労働者のたたかいが展開されている。社会保険庁の分限解雇撤回闘争も重要な闘いとなっている。
 また、個人請負、契約社員の「労働者性」をめぐる裁判は、新国立劇場、INAX事件が最高裁、ビクターエンジニアリング事件が東京高裁で争われており、反動的な判決を許さない闘いが焦眉の課題となっている。
 不当労働行為との闘いでは、労働委員会と労働者委員の果たす役割が重要である。第31期中労委労働者委員は、前期に勝ち取った独立行政法人に続き、民間企業担当においても公正任命をかちとり、さらにすべての都道府県労働委員会における公正任命を勝ち取るため奮闘する必要がある。
 企業による解雇、差別、不当労働行為は、労働者の尊厳を傷つけ生活の糧を奪い、憲法が保障する生存権、労働基本権そして基本的人権を奪うものである。全労連は、憲法を職場にいかし働くルールを確立するため、国・大企業の責任を追及しすべての争議の早期勝利解決を図るため、組織の総力を結集して奮闘するものである。

 右 決議する。

2010年7月22日
全国労働組合総連合
第25回定期大会

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