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全労連第25回定期大会 2010年7月21日〜7月23日

全労連第25回定期大会あいさつ

2010年7月21日
全労連議長 大黒 作治

全労連議長 大黒 作治 大会代議員の皆さん、歴史的な参議院選挙闘争での奮闘大変ご苦労様でした。また、お忙しい中、私どもの大会に激励に駆けつけていただいた各団体の皆さんに感謝申し上げます。

 全労連幹事会を代表して、第25回定期大会にあたってのご挨拶を申しあげます。
 まず第1に、参議院選挙の結果と菅内閣のめざすものをどうみるかであります。
 菅首相は参議院選挙前にV字回復した内閣の支持率で一気に乗り切ろうとしたが、消費税の10%への引き上げを「公約と受け取ってもらって結構」と発言し、企業減税を打ち出しました。総選挙で「国民生活が一番」を掲げて自公政権を退場させたが、国民への期待と公約に背いて大きく後退する結果となりました。
 民主党は41議席しか獲得できず、自民党が51議席、みんなの党が10議席、日本共産党3議席、社民党2議席、公明党9議席獲得となり、参議院は与野党逆転のいわゆる「ねじれ」状態となりました。
 しかし、民意が反映する比例区では、3年前に比べて民主党が480万減らして1845万票、30%を獲得し、自民党は250万票減らして1400万票にとどまり、民意の「2大政党」離れも鮮明になりました。民主党政権や自民党などが主張した「消費税増税」について、私たちは「企業減税のためであり社会保障には回らない」と解明しましたが、日本共産党や社民党が後退したことは残念な結果です。また、「みんなの党」の「小さな政府論」、公務員削減などの主張が受け入れられたかのような印象もあり、公務関係を多く組織している全労連にとっても大きな課題となったことと受け止めています。「小さな政府論」が行きつく先は、国民・住民サービスの劣化や「官製ワーキングプア」の増大による「貧困と格差」の拡大であり、国民生活や地域経済にとって大きな影響を及ぼすことから、官・民、正規・非正規一体となって、国民・住民との共同を積極的に切り開くことが重要です。
 今後、民主党の代表選挙がおこなわれるのでどのような体制になるかは定かではありません。しかし、菅民主党内閣がめざすと言っている、「第3の道」とは、マニフェストで規定した「第1の道」の「公共事業中心の利益誘導型の政治」、「第2の道」の「市場原理主義による構造改革型政治」、そのどちらでもない「財政支出を福祉・環境に投入することによって経済を成長させる」というものです。しかし、やろうとしていることは「法人税減税」と「消費税の増税」であり、結局「地域や福祉にあてる」財源はなく、公務リストラと「地域主権」の名のもとに「構造改革型政治」で財政支出の削減を行うという「第2の道」に向かわざるを得ません。それは、財界の求めと合致した新自由主義的「構造改革」への回帰に他なりません。そして、早期に衆議院の比例定数80人を削減して「強権政治体制」を整え執行する、これが菅民主党内閣が向かおうとしている本質であり、国民生活との矛盾は一層広がることにならざるを得ません。

 第2に、この結果を受けて、私たちはどのような姿勢で今後の闘いを発展させるかであります。
 民主も自民も「日米合意」「企業減税と消費税増税」を公約しており、政治の大本にある「アメリカ言いなり、財界・大企業の横暴な支配」からの脱却を図ろうとはしていません。菅内閣は、「抑止力」に屈してすでに「日米合意を踏まえる」として、辺野古での基地移設を推進し、「沖縄の負担軽減」と称して徳之島を全国に米軍基地機能を分散させることを打ち出しています。今度は、「競争力」に屈して「企業減はじめ税」「消費税増税」を打ち出しました。消費税が導入されて22年、この間に国民が納めた消費税は224兆円。法人税減税の総額は208兆円。大企業の減税の穴埋めに消費税が使われ、ほとんど同じ額が大企業の内部留保としてため込まれました。財界の「国際競争力強化」という呪縛に縛られて、賃金は削減され、非正規雇用が拡大し、劣化した雇用で成長力は止まったままであります。
 一方で、生活保護世帯は134万を超え、派遣労働者は230万人、5月の失業者は347万人、1067万人の人たちが年収200万円以下の「ワーキングプア」で生活苦にあえいでいる。貧困問題は、今日の日本にとって最大の社会問題であります。雇用と社会保障を拡充させ、ナショナル・ミニマムの確立と国民的合意を高めていく取り組みがますます重要な課題となってきます。
 そのために、賃金の底上げ、最賃の大幅引き上げ、労働者派遣法の抜本改正、後期高齢者医療制度の廃止や最低年金制度の確立など社会保障の拡充、公契約運動による地方経済の再生など、私たちの要求実現の闘いと、菅政権や「抑止力」「競争力」で揺さぶりをかける財界等との対決軸は一層鋭くなることは必至であります。
 国民世論によって政治の力関係は大きく変化することは大いにありうることです。国民の多くが願っている「貧困と格差」の解消、国民生活改善、辺野古への基地移設反対、軍事費削減など要求実現の闘いを一層発展させ、政治を前に動かす闘いを構築することが求められます。
 今定期大会ではその対決軸を解明し、向こう2年間の方針を確立したいと思います。方針の柱は、(1)大企業中心の社会・経済からの転換を求め、共同の発展をめざす、(2)雇用の確保と社会保障拡充による「福祉国家」づくりをめざす、(3)消費税率引き上げ反対と社会保障の拡充を求める共同の発展をめざす、(4)大企業の横暴な支配を転換させる労働組合・諸団体との共同の前進をめざす、(5)核兵器廃絶、安保条約廃棄、米軍基地撤去の運動の前進をめざす、(6)雇用闘争と組織拡大運動の一体化で中期目標の達成と新しい中期目標の策定も視野に入れる。という6本であります。

 第3に、方針を具体化するにあたって、この間の劇的な変化の表れに確信を持つことが重要であります。
 一つは、08年秋以降、大企業の派遣切りが社会問題となり、派遣村や労働・生活相談活動が行われ、当該労働者が労働組合の結成・加入に立ちあがりました。今日ローカルユニオンに1万人以上が組織され、不当解雇、賃金未払いなどで地労委や裁判闘争に全国で多くの仲間が闘いを発展させています。この闘争に各産別や県労連が積極的に支援し、新しい担い手も生まれつつあります。すべての組合員の行動参加と新しい担い手を役員・活動家として成長するための教育・学習の場を積極的に作り出すことが重要です。
 二つは、共同の条件がかつてなく広がっていることです。この間、日本医師会、JA、漁業組合、森林組合など保守的とみられていたほとんどの団体が、自民党一党支配から脱却していわば「全方位外交」を自認しています。同時に地域にある中立の労働組合もほとんどが中小企業であり、これらの労働組合や団体は、国民生活や地場産業・地域経済と深く結び付いています。全労連がめざす大企業中心社会からの転換や雇用確保・社会保障の拡充という国民的な願いと要求で多くの一致が図れ、その実現に向けて共同できる相手でもあります。これらの変化に確信を持って内需にかかわる産業や中小企業の方たちと中央でも地方でも日常的な結びつきと共同を広げる活動を発展させたいと思います。
 三つは、「貧困と格差」をなくすうえで重要な課題である最低賃金引き上げの手ごたえを掴みつつあることです。6月3日、首相の諮問機関である「雇用戦略対話」において、「2020年までのできるだけ早い時期に全国最賃(時給)800円を確保し、景気状況に配慮しつつ全国平均1000円をめざす」と政労使で合意されました。この三者合意に向けて全労連は、最低限度の生活に必要な費用は都市も農村も変わりがないことを実証してきました。今後、「10年も先延ばしは許されない」と闘いを発展させることが必要です。最低賃金1000円の原資は5.9兆円、生産波及効果は13兆3700億円と試算されています。最低賃金の大幅引き上げは、公契約や地場産業の育成、内需主導の経済や雇用の創出、地域経済の再生、税収の増加へと向かわせます。この点からも定期的な自治体キャラバンなどに産別・地域が一体となって取り組むことが重要です。

 全労連はこの20年間、国民春闘の再構築をめざして賃金・時短闘争の推進、「働くルール」を確立させるために署名や総対話を重視し、職場と地域で粘り強く闘いを推進してきました。その闘う伝統を引き継ぎ、「構造改革」「規制緩和」がもたらした矛盾の象徴である「貧困と格差」をなくすために、すべての職場、産別、地域で「ディーセント・ワーク」を追求します。若者の「使い捨て労働」に対して「自分たちは物じゃない、人間なのだ」と立ち上がった仲間たちを励ましながら、希望輝く未来を切り開こうではありませんか。そして、大企業中心社会を転換するために、次の時代の変革の担い手を集団的に成長・発展させるという活動に着手し、大志を持って産別・地方で闘いを繰り広げようではありませんか。
 最後に、来年は、一斉地方選挙の年であります。菅内閣の「地域主権」に名を借りた「小さな政府」「構造改革」の押しつけと対峙し、地方自治と住民の暮らし・福祉の向上、「貧困と格差」の解消に向けて、地方から政治革新のうねりを作りましょう。
 大会代議員の皆さんの活発な討論と新しい役員体制の確立をお願いして挨拶といたします。

全国労働組合総連合
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