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第2号議案

98年運動方針(案)

はじめに

 全労連第17回定期大会は、わが国の政治・経済が重大な転機を迎えているもとで、労働者や国民諸階層の切実な要求を基本にその闘争の基本方向を意思統一する場である。

 全労連は、98年度の重点課題として賃金・労働条件改善、雇用確保を基本的な課題に、労働法制と医療・年金制度の改悪阻止、国民本位の不況打開、膨大な未組織労働者の組織化に全力をあげることを方針で提起している。

 政府自民党による悪政と深刻な不況、大企業の「サバイバル」をかけての本格的な攻撃は、労働者のくらしと雇用を危機的な状況に追い込んでいる。いまこそ、すべての労働組合がナショナルセンター所属の違いをこえて大多数の労働者に共通する切実な要求を基本にこの危機打開に向けて大同団結すること、また国民本位の政治・経済への転換を真正面に据えた労働組合運動の強化が重要になっている。  全労連は、こうした視点を踏まえつつ大会に「緊急雇用対策案」(仮称)と「年金要求」を提起し、広範な労働組合・諸団体に職場・地域からの共同を呼びかける。

 また、全国の仲間たちがこれまでの運動の到達点に確信を持ち、職場と地域にゆるぎない労働組合をつくりあげ、切実な要求の前進とわが国の労働運動の新たな発展方向を切り開くために一層奮闘されることを呼びかけるものである。

内外情勢の特徴と基本的課題

(1)労働者の状態悪化と新たな活気を示す運動

 1)史上最低の賃上げをはじめ、実質賃金や消費支出の減少、人減らし「合理化」とパートや不安定雇用労働者の増大、最悪の完全失業率など、労働者のくらしと雇用は危機的状況に追い込まれている。また、中小企業の経営危機や増大する倒産などは労働者のくらしと雇用の不安をさらに深刻にしている。これらの背景には自らがつくりだした深刻な行き詰まりを労働者や国民への犠牲転嫁で乗り切ろうとする財界・大企業の「高コスト」是正や「構造改革」の本格的展開があり、ここに従来と質的に違った攻撃の特徴がある。

 2)全労連は98春闘で「対話と共同」や諸行動を通じて、運動の新たな活気をつくりだし、「流れを変える」橋頭堡を築きあげてきている。また、過酷な労働現場の実態を背景にすべての労働団体が、労働法制の改悪に反対して大衆行動を展開、通常国会での成立を断念させたことは多くの労働者を激励し、ナショナルセンター所属の違いを超えた切実な要求にもとづく労働組合の共同の条件を拡大している。

 3)国際的にも、資本主義経済の行き詰まりとEUに象徴される経済統合などのもとで、労働者への犠牲転嫁に反対するたたかいが雇用や労働法制、規制緩和、社会保障などの課題を中心に、世界各国で労働運動の新たな高揚をつくりだしている。

 私たちの運動の前進とそれが特別減税の復活や医療改悪の通常国会への見送り断念など要求を具体的に実現していることを確信にすることが重要になっている。

(2)求められる国民本位の日本経済への転換

 1)今日の不況と日本経済の行き詰まりは、ゼネコン・大企業本位の従来型の経済政策では打開できないことが、昨年の「9兆円」国民負担増が不況をさらに深刻にさせたこと、「特別減税」の復活・上積みや本予算成立直後の補正予算、「財革法見直し」など、政府与党の政策路線の破綻によっても明らかにされている。

 2)しかし政府は、大企業本位の「6大改革」の推進や労働法制の改悪を含む「規制緩和」、内閣機能の強化や国民生活関連行政の縮小など反動的「国家改造計画」としての「中央省庁再編」、住民福祉切り捨ての「自治体リストラ」、法人税率引き下げと低所得者への増税や年金・医療制度の抜本改悪など、負担増と将来不安を拡大する従来型の国民犠牲の政策に固執している。また、財界・大企業は国際的な資本提携を含む多国籍企業化と大規模な産業再編、持ち株会社などによる企業組織のリストラをすすめている。

 3)すべての犠牲を労働者・国民、中小企業に転嫁するこうした政策や大企業の横暴は、失業の増大や個人消費のさらなる落ち込み、地域経済の崩壊などを誘発、労働者・国民諸階層の生活基盤をさらに揺るがし、デフレ悪循環をもたらすことは必死である。また、野放図な海外進出はアジア諸国の経済・金融危機を招き、日本経済にも跳ね返っている。

 したがって、くらしと雇用の危機打開など切実な要求実現を前面に、大企業の横暴の民主的規制、国民本位の日本経済への転換を求める運動の強化が重要になっている。

(3)新ガイドラインによる平和と民主主義の危機

 今日の政治・経済の行き詰まりの反動的打開と連動しているのが、、アメリカの世界支配戦略に日本を組み込み、地方自治体や民間施設と労働者まで戦争協力に加担させる新ガイドライン関連法案など、民主主義と平和を脅かす政治反動の動きである。また、先の国会に上程された「盗聴合法化」法案の次期国会での成立をめざす策動や憲法9条の改悪をもくろむ「憲法調査会」の国会への設置の動きもつよめられている。

 インド・パキスタンの核実験は、NPTによる5大国中心の核兵器独占体制の破綻を示し、あらためて核兵器廃絶の重要性を明らかにしている。にもかかわわらず、日本政府がアメリカの核による世界支配戦略力に依然として追随していることは重大である。  日本の平和・民主主義の擁護にむけ、新ガイドライン立法を許さず、安保廃棄や核兵器廃絶の国民世論拡大の運動強化が重要になっている。

(4)政治不信の質的変化と政治革新への胎動

 1)橋本内閣の支持率は低下し、過半数以上の国民が不支持を表明というのが最新の各マスコミの世論調査結果である。その背景には「景気」問題を中心に国民の政治への厳しい批判がある。最近では財界の中枢幹部からも政策不況への批判や橋本内閣の退陣要求が公然とだされてきている。重要なことは、この批判には社会保障など国民生活よりも大企業・ゼネコンのための公共事業を優先させているような自民党政治の根本に目をむけ「政治の基本を変えなければ」との問題意識を内包していることである。

 2)昨年の都議会議員選挙の結果や各地での日本共産党と広範な団体や個人の共同による革新・民主の自治体首長の実現などは、政治革新への新たな胎動が全国的にも着実に前進し、拡大していることを具体的に示している。このことは国会運営や労働戦線における共同などにおいても前進的な変化をもつくりだしている。自民党政治の行き詰まりとその政策の破綻が鮮明になっている今こそ、労働者・国民諸階層の要求を前面に、21世紀にむけ主権者である「国民が主人公」の政治を実現するため一斉地方選挙や総選挙を重視し、全力をあげて奮闘することが重要である。

(5)共同の追求と全労連の役割・組織強化の重要性

 1)労働者の状態悪化の進行は、労使関係だけでは解決し得ない悪政や大企業の横暴とくらしや雇用、中小企業の経営悪化の関連を多くの労働者の中に明らかにしている。同時にそれは、職場の枠を超えた産別闘争の前進やナショナルセンター所属の違いなどを超えた共同を職場や地域から前進させる条件を拡大している。

 一方で、能力・成果主義の人事・賃金制度の拡大や人減らし「合理化」と不安定雇用の増大などは、労働者の組織率を年々低下させ、民間労働者の平均で19.8%、その過半数以上を占る「百人未満」企業ではわずか1.5%という事態が生まれている。このことが労働組合運動の社会的影響力を著しく低下させている最大の要因ともなっている。

 2)政治革新への新たな胎動や広範な国民諸階層の悪政批判と共同の前進、とりわけ労働運動の新たな活性化の兆しに確信を持ちつつ、くらしと雇用の危機打開にむけ、未組織労働者やパートなどの不安定雇用労働者、さらには中間管理職層など文字どおり圧倒的多数の労働者に共通する要求や労働条件の最低引き上げを前面に、全国各地ですべての労働者と労働組合に大同団結を呼びかけていくことが重要になっている。

 3)全労連は、労働組合運動の初歩的な「三つの原則」、とりわけ「共通の要求での行動の統一」を何よりも大切にし、すべての労働者・労働組合を視野に、運動路線の一致を求めず「多数の力」の結集を追求してきている。今日の情勢と課題は全労連が果すべき役割がいっそう重大になっており、職場や地域からの運動と組織の強化拡大などが決定的に重要になっていることを明らかにしている。

運動の基調

(1)協同・大同団結でくらしと雇用の危機打開を

1)広範な労働者・労働組合が一致、共同可能な要求の重視を

 ナショナルセンター所属の違いや労働組合加入・未加入の違いをこえて職場の大多数の労働者に共通する切実な要求を重視し、その実現を追求する。とりわけ、くらしと雇用の危機打開にむけ広範な労働組合との共同・大同団結を職場と地域から本格的に追求する。また、「対話と共同」を通じて同一産業や地方・地域から切実な「共通する課題」での共同拡大を継続的に追求していく。

2)未加入・未組織労働者の組織化の本格的な追求を

 不安定雇用労働者の労働条件の引き上げ、未加入や未組織労働者の組織化をくらしと雇用の危機打開にむけて不可欠かつ全労働者的課題として産別、地方・地域一体で全労連の組織の総力をあげた運動として追求する。

(2)国民的共同と政治の転換の追求を

1)国民的共同の力で生活と平和・民主主義の擁護を

 国民諸階層のなかの組織された部隊として、国民生活と平和・民主主義の擁護にむけ、中央・地方で「国民大運動実行委」や「中央社保協」、各階層のナショナルセンター、さらには広範な諸団体との共同を追求する。

2)統一地方選を重視し、国の隅々から住民本位の自治体を

 住民の福祉や生活関連予算・制度切り捨てに反対し、地域経済の活性化と住民本位の地方自治の確立にむけ、日常的な要求闘争と99年4月の統一地方選挙で革新・民主の自治体建設を重視する。

3)大企業本位から国民本位への国政の転換を

 経済と政治の国民本位への転換をめざし、悪政阻止・要求実現のたたかいと結合しつつ総選挙で国政革新の展望を切り開くため奮闘する。また、政治革新にむけ広範な人々との共同追求と職場・地域革新懇の運動を重視する。

(3)全労連運動の主体的力量の強化を

1)職場と地域から活き活きした労働組合運動を

 主体的力量強化の鍵を握る職場と地域組織の強化を重視し、職場における労働者の要求組織など日常活動の強化、目的意識的な労働者教育と「10万人オルグ」と活動家の育成、地域組織の確立などを産別や地方組織と一体となって系統的に追求していく。

2)産別組織と地方組織が一体となった統一闘争の重視を

 産別組織と地方組織で構成されている組織的特性を生かした統一闘争や地方・地域の共同、職場・地域の労働者の目に見える運動展開などを重視する。このことは、産別や地方・地域の運動を相互に発展させるうえでも重要である。

3)全労連と産別・地方組織の政策活動の強化を

 切実な要求にかかわる政策活動や政府・自治体、経済団体との交渉ルールの確立など全労連のセンター機能の強化を重視する。また、その時々の情勢や課題に対応した問題提起を重視し労働総研との連携を追求していく。

(4)世界の労働者とともに、国際連帯の重視を

1)ルールなき資本主義を脱し、国際的な労働基準への到達を

 「規制緩和」や国際労働基準すら充たさない最低労働基準のさらなる弾力化など、ルールなきわが国の資本主義に対し、ILO条約の批准や国際労働基準の国内外での遵守を政府や財界・大企業に要求する運動を強化する。

2)国際的な労働運動の教訓と到達点を生かすわが国の運動を

 各国での運動強化を前提に、多国籍企業の民主的規制やグローバリゼーションに対応した国際労働基準の確立にむけて国際的な交流や連帯を追求する。さらに、核兵器廃絶にむけての国際世論を拡大するため奮闘する。

重点課題と基本的展開

1)重点課題を絞って、すべての組織が「力の集中」を

 政府や財界・大企業の「構造改革」路線と「行革・規制緩和」「新時代の日本的経営」などに反対し、国民本位の政治や経済への転換を展望しながら、賃金・雇用闘争を基本的課題に「労働法制と医療・年金制度改悪阻止」「国民本位の不況打開」「組織拡大と組織強化」をすべての組織が「力を集中」すべき重点課題として追求する。

 大会に、「緊急雇用対策案」と年金制度改悪阻止への「要求」を別途に提起する。

2)情勢にかみ合った山を設け、攻勢的な運動展開を

 具体的展開は、節々の「方針」で提起するが、次の運動を基軸的に据えていく。

 [1] 「緊急雇用対策案」をもとに「一致する要求」での共同の拡大を追求しながら、地域経済の振興、雇用・失業対策を求める県内総行動の全国的展開(9上旬〜11月上旬)。

 [2] 職場や地域の圧倒的多数の労働者を対象に従来を倍する目標での「働くみんなの要求アンケート」の展開(10月〜1月)。

 [3] すべての地域組織などからの参加による「第2回全国討論集会」(春闘討論集会を兼ねる)の開催(11月12〜14日)。

 [4] 諸団体と共同して不況打開・雇用確保・年金改悪阻止などをめざす議会要請や自治体闘争などの集中的強化(2〜3月)と「2・25全国一斉・列島総行動」。

 [5] 全国統一行動・統一ストによる賃金闘争を中心とした労使関係のたたかいでの山場の配置と力の集中(3月中〜下旬)。

 [6] 年金制度改悪阻止を前面に掲げた統一ストと大規模な中央行動(5月中旬)。

主要な課題とそのとりくみ

1.労働条件改善、雇用確保・権利擁護

(1)賃金・最賃闘争について

1)賃金闘争の前進に向けて

 [1] 今日の深刻な不況と日本経済の行き詰まりを打開するためにも、国民諸階層の中で圧倒的多数を占める労働者の賃上げや雇用不安の解消、社会保障の拡充・減税など国民生活の改善こそが決定的に重要になっている。したがって、悪政や大企業の横暴と対決しながら労働者の切実な生活改善と国民本位の不況打開を一体のものとして追求する。

 [2] 経済危機と失業者・不安定雇用労働者の増大、日経連や財界の本格的な攻撃のもとで賃金闘争を前進させるため、すべての労働者を視野に入れた「最低要求」を練り上げ、労働力のダンピングを許さない労働組合の共同と国民世論の支持拡大を重視する。また、これを土台とした産別や地方・地域からの積極的な要求確立とストライキを軸とした断固とした闘争態勢の確立をはかる。そのためにも、「働くみんなの要求アンケート」を重視し、職場・地域から要求での多数派形成と運動強化を土台に、春闘・賃金闘争をたたかう広範な労働組合との共同を追求する。

 [3] 能力・成果主義の人事管理と賃金制度の導入や拡大は、労働者を分断し企業主義に駆り立てながら、労働者に際限のない過密労働と総額人件費の抑制を押しつけるものであり、これに反対してたたかう。また、導入の強行にあたっては、労使合意ですでに確定している現行の個別労働者の賃金水準を下回る賃下げは許されないこと、格付け基準の公開や労働者の異議申立て権の確立などを対置、労働者との合意を求めてたたかう。

 [4] 公務員労働者の賃金凍結・抑制を許さないたたかい、生活給の重要な位置を占めている一時金闘争などを重視し、統一闘争としての強化・発展を追求する。

 [5] 賃金抑制攻撃に加えて、重税と社会保険料、教育費などが家計を圧迫しているもとで間接賃金の引き上げを重視し、広範な労働者の最も切実な要求を練り上げ、国民負担増反対、社会的給付拡充などを直接賃金の引き上げと一体のものとして追求する。

2)賃金水準の底上げと最賃闘争

 [1] 労働者・国民生活の下支えとしての全国一律最低賃金制とこれを基軸とした「ナショナル・ミニマム」の確立にむけての国民的合意形成を追求しつつ、現に強められている賃金・所得の引き下げと格差拡大に反撃するため、初任給の引き上げや年齢別最低保障、さらにはパートや不安定雇用労働者の賃上げのとりくみをいっそう強化する。

 [2] 企業内最賃の確立を重視するとともに、このとりくみを産別規模にひろげ、あらゆる労働組合との共同を追求して法定産別最賃を展望する。また、地域包括最賃引き上げと結合しながら「○○地域から○○万円以下の労働者をなくそう」などの要求をかかげ、地域のすべての労働者を視野に入れた運動と共同を追求する。

 [3] 中央と地方の最低賃金審議会での委員の公正任命と審議会の民主化を求める。

(2)雇用確保、労働時間短縮、人減らし「合理化」反対

 [1] 全労連の「緊急雇用対策案」は、ただちに実現すべき文字どおりの緊急要求であり、広範な労働組合と国民諸階層・団体に呼びかけ、幅広い国民的な共同をひろげる。

 [1] 賃下げなしの「拘束1日8時間・1週40時間以下」の労働時間、「完全週休二日制」、とりわけ一日当たりの労働時間短縮などを基本に、政府の国際公約「年間1800時間」のすべての産業での早期達成を追求する。

 [2] また、雇用拡大とも結合しながら、サービス残業の解消や年次有給休暇の完全消化をすべての職場で追求すると同時に、変形・裁量労働の拡大阻止、深夜交代労働を含む労働時間の男女共通の法的規制の実現をめざす。

 [3] 不当な解雇や配転・出向など規制する団体協約の締結、「事前協議・同意協定」の締結、「首切りをはねかえす10章」「最高裁判例」の活用など、職場や地域から首切りやリストラ「合理化」に反対する運動をつよめる。同時に、解雇規制の法制化をめざす。

 [4] 正規労働者の労働条件引き下げや雇用不安を拡大するような派遣労働者や非正規労働者の職場への導入・拡大を一方的に許さないとりくみと同時に、現に職場にいる非正規・不安定雇用労働者の雇用をまもり、労働条件を改善するたたかいを重視する。

(3)労働法制改悪反対、労働時間の法的規制など「働くルール」確立を

 [1] 職場・地域から参議院選挙後の臨時国会に向け、国会請願署名の引き続く強化、地元選出議員や労働委員、各政党などへの要請、決議運動などにとりくむ。さらに、労働法制改悪反対の地方議会・自治体の決議、意見書採択の要請を地方・地域で展開する。

 [2] 地域の労働組合への「労働基準法・派遣法改悪反対」「労働時間の男女共通規制」などを中心とした一致する課題での共同の申し入れを重視し、総対話運動をつうじて共同のたたかいの具体的前進を追求する。

 [3] 労働法制の改悪が先取りされている職場実態などを中心に、改悪の危険なねらいを広げ、運動を発展させていく学習や宣伝活動を職場や地域から引き続き強化する。

 [4] 労働法制改悪の職場への導入を許さないたたかいと同時に、サービス残業や「疑似派遣」など現行法の違反を解消させる職場からの運動を強化する。

 [5] 労基法や派遣法改悪の問題点、とくに新裁量労働制や有期雇用など「見直し」の中身、労働省作成のパンフの問題点などについて都道府県労働基準局交渉をつよめる。

 [6] 地方や地域における労働法制連絡会の拡大と活動強化を重視する。また、単産や地方組織に「労働法制対策委員会」を確立するなどして日常的な対策を講じる。

(4)労働者のいのちと健康をまもるたたかい

 [1] 単産・地方に対策委員会や担当者を配置、労働安全衛生活動、職場点検や労働条件・健康実態調査、要求の組織や運動強化をはかると共に、運動交流や活動者養成、職場学習などを強化する。

 [2] 過労死や労災・職業病の認定・補償闘争でたたかう仲間を支援し、労災認定の改善を求める共同行動をつよめる。労災補償保険審議会、じん肺審議会、労働基準審議会などの労働側委員、労災保険審査会参与・労災防止指導員などを全労連・地方組織から選出させるための運動を強化する。

 [3] 「働くもののいのちと健康を守る全国センター」(仮称)の12月結成をめざすと同時に、全単産・地方組織の「全国センター」への参加、県段階での「センター的組織」がないところでの結成と活動強化をはかる。

(5)労働者の権利擁護、国鉄闘争の勝利を

1)国鉄闘争の勝利にむけて

 [1] 国労採用差別事件の東京地裁による中労委命令取り消しの不当判決につよく抗議するとともに、改めてJRに不当労働行為の責任をせまり政府責任で早期解決をもとめる。「一の日」行動の強化など国民世論の一層の結集、「1,047名の早期解雇撤回」を大きな一致点で国労と全動労の共同をつよめる。民事19部の全動労採用差別事件での勝利のために全力をあげる。「全動労勝たせる会」の拡大、全動労争議団・国労闘争団へのカンパをひきつづき地域からとりくむ。

 [2] 政府の旧国鉄債務28兆円処理策は、債務処理破綻のツケを国民に押し付けるものであり、これに反対すると同時に巨額債務の発生原因と債務処理策破綻の責任を明らかにすることを求めてたたかう。国鉄債務の処理は、運輸行政の見直しと公共事業のムダの解消、「総合交通特別会計」(仮称)の創設とJR本州3社の応分の負担をもとめ、国民合意の処理方針を策定すべきである。

 [3] JRで列車事故・トラブルが続発している。公共交通としての安全輸送・サービス確保のために、車両整備、保安設備の点検強化、安全確保のために要員配置などをもとめる。「在来線をまもる全国連絡協議会」の活動をつよめる。

2)労働者・労働組合の権利擁護

 [1] 労働者・労働組合への一切の権利侵害を許さず、スト権や団交権など職場における労働基本権の再確認と公務労働者の労働基本権回復を重視する。また、さまざまな争議支援を引き続き重視し、総行動方式などを軸に共同の運動を展開する。

 [2] 裁判・労働委員会闘争の勝利をめざす集会や理論的・戦術的検討の場である法規対策委員会などの活動を重視し、全体に普及する活動を展開する。

3)労働委員会などの民主化

 [1] 第25期中労委労働者委員の任命時期を10月に迎える。政府に「適切な任命のあり方」に立ち戻り、「特定系統独占」をただし、公正・民主的な任命を行うよう運動を強化する。公正な任命を求める団体署名を単組・分会レベルまで取り組み、過去最高の到達点をめざす。各職場での推薦決議運動や宣伝行動にも力を集中する。

 [2] リストラ「合理化」、解雇や出向、労働組合つぶしなど、法律無視の事態が増加している中で、労働者の泣き寝入りなどで終わる事のないよう労働委員会活用を重視して、本来の労働者救済機関の役割を職場内外に訴える。

 [3] 労働委員会を取り巻く情報の共有化や全国のたたかいを紹介するニュースの発行に力を入れる。また、労働者にかかわる各種審議会労働者委員の公正で民主的な任命にむけた運動をつよめる。

4)雇用などにおける男女平等実現

 [1] 99年4月施行の「改正」均等法にもとづき、賃金差別をはじめ職場のあらゆる男女差別是正にとりくむ。特に、募集・採用、配置・昇進、教育訓練、苦情の自主的解決、女性労働者の措置に関する特例(ポジティブアクション)の積極的実施、セクハラ禁止措置などの使用者責任の追及などにとりくむ。また、罰則規定の明記や「間接差別」の是正を含む均等法の実効ある改正を引き続き追求する。

 [2] 男女平等実現は母性保護の権利が前提であり、学習や職場でのとりくみで妊娠や出産に関する母性保護の拡充を実行させる。

 [3] 育児・介護休業制度の拡充、とくに99年4月施行の介護休業制度の実効ある協約化および改善をかちとる。

 [4] 国会に提出された選択制夫婦別姓・通称使用などの民法改正法案の成立にむけて、署名運動や政党・国会議員要請にとりくむ。

 [5] 男女平等参画社会の実現に向け、労働組合・行政諸機関、審議会などへの男女平等、女性の地位向上、男女共同参画2000年プランの実効ある実現をめざし、あらゆる職場や地域からの運動を強化する。

2.社会保障拡充など国民生活擁護のたたかい

(1)年金・医療制度の改悪阻止

1)いっそうの負担と制度切り捨てをねらう政府・厚生省

 厚生省は99年「財政再計算期」にむけ、年金大改悪を準備しており、98年9月に年金審議会報告がまとめられ、99年1月には通常国会への法案上程が予定されている。医療再改悪や高齢者医療保険の設立など「抜本改革」も企てられている。介護保険法の実施に向けて各自治体での準備や、独自福祉施策の見直しへのとりくみなど、この夏から秋にかけての社会保障闘争をどうとりくむかが、極めて重要となっている。

2)重視すべき課題と基本的な要求

 次の課題と要求を基本にすえ、運動展開それぞれの方針において具体化する。

 [1] 年金制度改悪阻止、厚生省の「5つの選択肢」反対、全額国庫負担による最低保障年金の確立を展望した基礎年金の国庫負担の2分の1への増額、支給開始年齢の繰り延べ反対、保険料値上げ反対と労使の負担割合の変更、賃金スライド制の堅持、無年金者の救済などを中心に、だれもが安心して暮らせる年金制度の実現をめざす。

 [2] 医療制度の連続改悪反対、国民の新たな負担増を強いる高齢者医療保険の創設、健保本人3割負担、保険料値上げ反対、いつでもどこでも安心して医者にかかれる医療制度の実現をめざす。

 [3] ヘルパーの大幅増員、老人ホームの増設など介護サービス基盤の整備を国の責任でおこなうこと。介護保険料の負担軽減、医療・福祉・介護関係労働者の大幅増員と労働条件改善、自治体の福祉施策の充実、改善をめざす。

 [4] 社会保障予算の削減に反対し、福祉・社会保障、公的保育などの充実をめさす。

(2)国民本位の不況打開と大企業の横暴規制

1)国民本位の不況打開と地域経済をまもる運動

 国民大運動や広範な諸団体と共同しながら、消費税率の引き下げ、勤労国民への減税、中小企業への支援策の充実、公共事業の生活密着型への転換など国民本位の不況打開を追求する。また、地域経済をまもるために、「地域産業振興条例」の制定運動、大店法規制緩和反対の共同を前進させる。労働総研と共同で開催してきた「地域政策研究交流集会」を「雇用と地域経済」を中心に10月9、10日に1泊2日で札幌市内において開催する。

2)大企業・多国籍企業の横暴規制

 大企業の労働者・中小企業への横暴を徹底的に暴露・告発していく。同時に、全労連が発表してきた「大企業の社会的責任を求める提言」や「産業空洞化に反対し、国民が大切にされる日本経済再建のための全労連の政策」、さらにはアジア・太平洋労働組合シンポジウム(94年)で提起した政策課題の実現のため、運動を具体化する。

(3)大企業本位の「規制緩和・行政改革」反対

 [1] 中央省庁再編問題は、国家行政の反動的再編であり、大企業本位の行財政を温存する一方で、労働や社会保障など国民生活関連行政の縮小などにその狙いがある。したがって、これを国民的な課題として位置づけ、直接的な関係組織の協力を得つつ、反対の国民世論の拡大に向けてのとりくみを重視する。

 [2] 独立行政法人の導入や公務員制度改悪反対、情報公開と行政の民主化を共通の課題とし、署名・学習宣伝・集会・自治体決議など地域からのとりくみを大規模に発展させる。そのために、単産・地域それぞれの到達点の違いに留意し先進的な取り組みに学びつつ、運動の重点をしぼってたたかいを強化・発展させる。

 [3] 「橋本行革反対、国民本位の行財政の確立」を前面に掲げ、行革・規制緩和反対のとりくみを強め、政・財・官の癒着、利権構造の打破、情報公開、予算執行の適正化、労働基本権奪還問題などの運動を重視し、全労連のイニシアチブを発揮する。

 [4] 行革・規制緩和問題労組連絡会、行革を考える国民懇談会などのとりくみを重視し、全労連として運動推進のための積極的役割を果たす。また、特殊法人合理化を考える共闘組織などとの連携を一層強化する。

(4)未来を担う子どもの教育問題

 未来を担う子どもと教育をめぐる最近の深刻な事態は、積年の能力主義・管理主義等の文教政策、性や暴力が氾濫する退廃的文化状況、リストラ「合理化」、長時間労働などによる家庭の崩壊、地域社会の変容、さらには大人社会の道徳的退廃など複合的要因によってもたらされたものである。

 したがって、これらの問題解決には国民的・社会的な運動を巻き起こしていく必要がある。全労連はこうした視点に立って子どもをとりまく深刻な事態についての国民的討議を行政機関を含むあらゆる団体に呼びかけるとともに、「21世紀の日本を担う、子どもたちとの国民的対話運動」を提唱し、これにとりくむ。

(5)農業・食糧問題、公害・環境問題

 [1] 「食糧と農業、国民の健康を守る」運動の国民世論拡大に努力する。

 [2] WTO改定、国内自給率向上へむけ、輸入品のセーフガード発動を求めるとともに、靴・皮革、繊維・アパレル業種労組との共同・連携をつよめる。

 [3] 「学校給食・医療現場の給食に、国産新米の供給を」を要求し、安全な食料対策とあわせて関連組織との共同したとりくみをすすめる。

 [4]東京大気汚染公害、尼崎大気汚染公害など、公害をなくしきれいな空気をとり戻す裁判闘争を支援し、勝利をめざして共同のとりくみに連帯する。

 [5]国民の健康と環境をまもるため、ダイオキシンや環境ホルモン、ゴミ・産業廃棄物処理問題などへの対応を重視する。NO2、酸性雨(雨水)、浮遊微粒子(SPM)全国いっせい測定運動で、公害・地球懇とともに単産、地方組織の協力のもとにとりくむ。

(6)震災被災者への支援と災害対策運動の発展をめざして

 [1] 阪神・淡路大震災被災者の切実な要求実現と、行政措置となつた施策の改善充実を引き続きとりくむ。「被災者生活再建支援法」の抜本改善の取り組みを強化する。

 [1] 災害列島日本における防災・災害対策運動は、運動団体や研究団体などの共同の運動が極めて重要であり、1月17日のメモリアルデーや9月1日の自治体による「地域防災計画」点検運動など、その具体的とりくみを強化する。

3.民主主義擁護と平和・中立の日本をめざすたたかい

(1)沖縄・米海上基地建設反対、米軍基地の撤去・縮小

 [1] 海上基地建設反対、海兵隊の撤退と基地撤去・縮小を求める沖縄県民のたたかいに連帯し、ひきつづき沖縄県労連・統一連のとりくみを支援してたたかう。

 [2] 本土各地での米軍の横暴きわまる実弾砲撃演習強行とNLP、超低空飛行訓練などを告発し、それぞれの地方・地域の住民のたたかいに連携・支援してたたかう。各地の港湾・空港の米軍の優先使用に反対し、住民の平和と安全を守るたたかいをすすめる。

(2)新ガイドライン反対、関連法案の成立阻止

 [1] 98年5月結成された「新ガイドラインとその立法化に反対する国民連絡会」の運動に積極参加し、新ガイドライン関連法案に反対する国民共同のとりくみと行動を発展させる。そのため、署名運動や学習、宣伝と対話、国会要請行動などを強化していく。また、労働組合レベルでの共同の拡大に努力する。

 [1] 日米安保条約の危険性をとらえ、あらためて安保廃棄の世論と運動を高める職場、地域でのとりくみをつよめる。

 [2] 安保破棄実行委、日本平和委などとの共同で、10・21全国統一行動、日本平和大会(佐世保)、6・23全国統一行動などをつよめる。

(3)核実験の全面禁止と核兵器廃絶

 [1] 98年国民平和大行進、原水禁98年世界大会(8月、広島・長崎)の成功をめざし、職場、地域から代表派遣などにとりくむ。99年3・1ビキニデーにとりくむ。

 [2] 全国の港で「非核神戸」方式(「核兵器を非搭載を証明しない限り、核艦船は入港させない」)の拡大に努力する。また、地方自治体で「非核・平和宣言」運動をひろげ、「ヒロシマ・ナガサキアッピール」署名の国民過半数到達をめざしとりくむ。

(4)「盗聴」合法化法案阻止、民主主義の擁護

 [1] 「盗聴法案」廃案をもとめ、署名、国会行動などを強化する。

 [2] 憲法の平和的、民主的原則に背く一切のあらわれに反対する。国会での「憲法調査委員会」設置に反対する。憲法会議などのとりくみと行動に積極参加する。

4.住民本位の自治体と国政革新をめざすたたかい

(1)統一地方選挙で国の隅々に革新・民主の地方自治体を

 [1] 地方政治の分野でもいっそうつよめられている自民党の悪政と矛盾は、これに反対する地方自治体・議会をつくりあげなければ、住民のくらしや営業、地域経済も守れないことを明らかにしている。

 [2] 全労連は、すべての首長選挙でこれまで保守政党の支持してきた団体や個人を含む共同を追求し、日本の隅々に革新・民主の自治体を建設する先頭に立つ。地方議員選挙については、組合員の積極的な政治活動を促す。

 また、そのためにも、直面している雇用問題や地域経済、福祉・教育などをめぐる住民要求の実現をめざす日常的な運動の強化を重視する。

 [3] 4月の統一地方選挙(4月11日、25日投票)にむけた地域政策、自治体要求、選挙態勢などを中心とする「地方選挙闘争方針」を別途提起する。

(2)総選挙で国民本位の政治への民主的転換を

 [1] 全労連は、当面する要求実現のたたかいと結合しながら、「橋本内閣退陣、国会解散し、国民に信を問え」の運動を引き続きつよめる。

 [2] 全労連は、組合員の政党支持・政治活動の自由を保障とともに、国政革新の展望に立って要求・政策の一致による広範な国民の共同を積極的に推進する。そのため、職場・地域革新懇など草の根からの政治革新にむけての広範な諸階層の結集を重視する。

5.「グローバリゼーション」に対応した国際連帯

 [1] 「対等平等・内部問題不干渉・一致する課題での共同行動の促進」という国際交流の基本に立ってひきつづき2国間交流、国際組織との交流・情報交換をすすめる。また、組織問題を前提としない国際的な諸会議や活動に積極的に対応する。

 [2] 全労連結成10周年記念事業の一環として、99年秋を目途に国際シンポジウムを開催することを検討する。

 [3] 各国のたたかいの経験と教訓を日本の運動に生かすため、各国の労働組合および国際労働組合組織の代表をさまざまな機会に個別的またはグループで日本に招待し、相互交流をおこなう。

 [4] 労働時間短縮、雇用・失業問題、社会保障の改善など全労連の当面する課題を中心として欧州などへの交流代表団の派遣を検討する。

 [5] 国際労働基準の適用と人権の確立などでILOや国連への対応をつよめる。ILO総会への代表と顧問からの全労連排除に反対し、日本の労働者・労働組合の意志が全体として正しく反映されるよう日本政府・労働省を追及する。国際労働組合権利センター(ICTUR)との協力関係を一層強化する。

 [6] 新ガイドラインによるアメリカの戦争への日本の自動参戦と安保体制の地球規模への拡大に反対し、沖縄をはじめとする米軍基地撤去のたたかい、核兵器廃絶に向けた国際的な世論結集の呼びかけなど、労働組合の平和闘争の国際的なとりくみをつよめる。

 [7] 情報収集体制の強化を図り、「英文・ニュースレター」「世界の労働者のたたかい」などを発行する。国際労働問題の学習交流会の開催、通訳・翻訳体制の強化、労働総研国際部会との相互協力をつよめる。

6.「200万全労連」をめざす組織拡大・強化

(1)「転機の情勢」にふさわしい組織建設の構え

 [1] 大多数の労働者に共通する要求をかかげ、すべての労働者・労働組合を視野にした運動を本格的に追求する。全労連のこの間の運動はナショナルセンターの違いを超えて広範な労働者・労働組合への影響力を着実に拡大してきている。

 [2] 組織拡大をすすめる上で情勢をどうとらえるかが重要である。労働者・国民諸階層の「耐えられないまでの状態悪化」と自民党政治の「いきづまり」が政治不信を高め「政治革新」への流れを大きくしており、企業主義・反共主義も崩れはじめている。いままさに「まともな労働運動」の多数派形成のチャンスを迎えている。

 他方で依然として続く組織率の低下が要求実現を困難にしており、未組織労働者の組織化は労働組合運動の活性化とすべての労働者のくらしと雇用を守るための不可欠の課題という視点で組織拡大にとりくむ。

 [3] 98年末を期限とする「第2次3ヵ年計画」にもとづくとりくみに全力を上げ、20世紀中に「200万全労連」を確立し、21世紀を文字どおり日本労働運動でイニシアチブを発揮する組織勢力で迎える。

(2)組織拡大を追求する基本方向

 [1] 職場にいるすべての未加入者の組織化をはかる。また、未組織労働者の組織化では、民間労働者の大多数を占める中小企業労働者やいまや1,000万人を超すパ―ト・非正規労働者の組織化を重視する。未組織労働者との接点にいるのは職場組合員であり、「組合員が組合員を増やす」組合員参加での組織拡大運動を「月間」を設定などで集中的に強化する。当面、労働者を組織化していく受け皿として「地域組合」の確立を追求する。

 [2] 広範なパート・臨時・派遣労働者はじめ不安定雇用・未組織労働者との対話と要求の集約を重視すると同時に、労働条件の改善にむけ切実な要求にもとづく共同闘争を積極的に前進させる。そのため、パートや不安定雇用労働者を対象とした「要求アンケート」を全国的にとりくむ。また、「不安定雇用労働者の切実な要求実現めざす組織確立大運動」などを、単産・地方組織の知恵と力を結集してくりひろげる。

 さらに、各組織は必要な「規約改正」も含めて不安定雇用労働者の受け入れ体制を確立し、不安定雇用労働者を組織する積極的な計画を作成する。全国各地で実施した「パートのつどい」や「パートネットワーク」運動をさらに広げると同時に、全労連として不安定雇用労働者の「ネットワーク」の確立を具体的に検討する。

 [3] 中立・単独組合の組織的結集と空白産業・地域に全労連組織を確立するため、共同を追求しつつ広範な労働組合に全労連加盟を意識的にはたらきかける。

 [4] 職場・地域と産業別組織の接点にある地方・地域組織の確立強化を重視する。ひきつづき5,000人未満の地方組織の底上げと専従役員未配置の地方組織の体制強化を重視する。「第2次3ヵ年計画」の800地域組織の確立、全県をカバーできる地域組織の確立と県都での未確立解消を重視する。ブロックにおける共通課題でのとりくみと相互に支援し合うブロック機能の強化をはかる。そのためにブロック内地方組織と単産のブロック組織との連携をつよめる。

 [5] 全労連・労働共済連・労働共済で作成した「地方共済確立をめざすパンフ」を活用し地方・地域の共済会を確立する。当面、過半数の地方への共済会確立をめざす。

 [6] これまでの「組織拡大推進本部」を改組し、単産・地方代表を含めた「組織拡大推進委員会」を改めて確立し、そのもとで「第3次3ヵ年計画」(組織政策)を策定し、99年1月の評議員会にて確認する。

(3)全労連の組織強化とナショナルセンター機能の強化

 [1] 組織・財政検討委員会の「ナショナルセンター機能強化にむけた中期的方向」についての「最終答申」(97年12月24日)を尊重し、幹事会内に検討委員会を設置し、その具体化を早急にはかる。

 [2] 情勢に即応できるナショナルセンターとしての機能強化のため、全労連結成10年の節目にむけ、幹事会機能の強化、大会・評議員会のあり方、規約等の整備などを検討する。また、未組織労働者の組織化を本格的に進める特別の運動と体制強化などを目的とした「組織拡大推進基金」(仮称)の創設を検討する。

 [3] 全労連運動の強化のため、青年部・女性部の運動と体制強化、全労連新聞の有料読者の拡大、「オルグ養成講座」や学習・教育活動の系統的な強化などを重視する。

 [4] 現在、設置されている各種闘争委員会(闘争本部をふくむ)、専門委員会などについては、効果的な運営と幹事会機能強化の視点から機構の抜本的な再検討をはかる。

 [5] 99年11月の全労連結成10周年にむけての記念事業の具体化を検討し、99年1月の評議員会にその計画案を提起する。

 [6] 98年度の評議員会は、第21回を10月22〜23日、第22回を99年1月21〜22日、第23回については統一地方選挙を考慮して5月27〜28日に予定する。なお、第18回定期大会については7月27〜29日を予定する。