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【談話】橋下大阪市長の「慰安婦発言」に抗議し、発言の撤回と謝罪、すべての公職からの辞任を強く求める

 橋下大阪市長(日本維新の会共同代表)は5月13日の記者会見で、旧日本軍の「従軍慰安婦制度」について、「(それが)必要なのは誰だってわかる」などと正当化する発言を行った。
 橋下市長は、その暴言への批判が強まった同日夕方に、沖縄に駐留する米軍海兵隊の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と奨めたことも明らかにした。
 さらに、自らのツイッターで、「世界各国の軍が軍人の性的欲求の解消策を講じていたのは事実」、「韓国女性を拉致して強制的に売春させた証拠がない」などと、自説を繰り返して居直っている。
 これらの点からして、橋下市長の「慰安婦制度発言」などは失言ではなく、同氏の歴史観や人権意識のレベルを反映する持論を述べたものだと考える。

 憲法第97条を引くまでもなく、個人の尊厳を基礎においた基本的人権の尊重とその発展をめざすことは、「人類の多年にわたる努力の成果」を後世に引き継ぐため、現在を生きる者に課せられた責務である。特に、市長や公党の党首という公職に就く者は、歴史の事実と真摯に向き合い、今の人権感覚で歴史を検証し、基本的人権を前進、発展させる責務を強く負っている。

 橋下市長はこれまでも、「慰安婦」問題について「強制連行」の事実をゆがめるなどの暴言を繰り返してきた。
 今回はさらに踏み込み、日本政府の従来の見解(村山談話や河野談話)を否定し、日本軍がおかした犯罪行為を免罪する立場に立っていることを表明した。「慰安婦制度」のような女性の尊厳を全面否定する犯罪行為が、軍隊では今日でも容認されると言う特異な主張も行っている。
 そのような発言が、日本の侵略戦争によって塗炭の苦しみをなめた中国、韓国などの人々を苦しめ、米軍の性犯罪によって被害を受けた人々に耐え難い苦痛を与えることは想像に難くない。買春を肯定するかの発言は、すべての女性の人格と尊厳を踏みにじるものである。
 これらの点からして、橋本氏の発言は、大阪市長や日本の政治家としての資質、資格が問われなければならない重大なものである。
 全労連は、橋下市長の発言を断じて容認することはできない。満身の怒りを込めて断固抗議し、発言の撤回と謝罪、および大阪市長などすべての公職からの即時辞任を強く求める。

 なお、日本維新の会の石原慎太郎共同代表が、「軍と売春はつきもの」などとし、同党の松井一郎幹事長(大阪府知事)が「本音で解決するために言った」との認識を示すなど、橋本氏の発言と居直りの姿勢を擁護していることには驚きを禁じえない。
 これらの日本維新の会幹部の発言は、同党の歴史認識の偏向や、人権意識の欠落を示すものである。橋下氏と同様、公党としての責務と存在が問われるべきものであり、併せて、強い抗議の意思を表明する。

  2013年5月15日
全国労働組合総連合        
事務局長  小 田 川 義 和

 
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