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中間答弁

全労連 坂内三夫事務局長 

 新しく提起した賃金闘争方針をめぐって、かつてない活発な意見をいただいた。この10年間の全労連の大幅賃上げ要求は大きな社会的成果をあげてきた。その到達点を踏まえ、なおかつ今日の情勢にかんがみ、新しい賃上げ闘争を練ってきた。幹事会提案については、表現の不適切さもあり、様々な誤解を呼んだようだが、発言を聞いていて、「思い」は我々と同じだと感じている。

 企業別労働組合が主体の日本にあって、企業や地域、個々の労働者の条件といった違いをこえ、一斉に統一要求を掲げて、賃金の底上げを、社会的・横断的に進めていく点で、全労連運動は大きな役割をはたさなければならないし、政府・独占資本が春闘解体をすすめているときだからこそ、全労連のたたかいは重要という認識は共通している。

 議案書第2章の(3)でも強調しているように、賃金を社会的・横断的に決定する春闘を強めることが、日本社会の民主的転換には不可避だ。国民的大義をかかげた春闘をますます強めなければならないというのが、全労連の基本路線。企業別に組織され、財界の労使共同論、反共攻撃と結合した右翼的再編が進行するなかで、これまでの春闘は大企業正規労働者の月額賃金をどれだけあげるか、が中心だった。いまや労働者の雇用形態は大きく崩れ、春闘は賃下げ、リストラ「合理化」への協力の場、「逆春闘」へと解体・変質されている。

 こうしたなかで、我々はどのように春闘を活性化させうるのか。全ての労働者を視野においた賃金闘争をどう構築するのか。幹部闘争を克服し、全組合員の参加のもとで議論をつくし、全労連組合員だけでなく、膨大な中立組合や未組織労動者、国民に共感の呼ぶ要求・政策とは何か、どういう闘い方をすべきなのか、回答の引き出し方や統一行動をつくるために、なにをしなければならないか、を考えた。全ての労働者の賃金底上げを追及する方針は、こうした問題意識からくるものだ。今後さらに討論を続行させ、9月と10月の中旬に単産地方代表者会議を開催し、議論する。1月の第25回評議員会で要求確定するまで、討議を深めていただきた。