【談話】

「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案」の可決・成立にあたって

2006年6月15日
                             全国労働組合総連合
                             事務局長 坂内三夫


 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案」は本日、衆議院本会議で採決され、11項目に及ぶ附帯決議を附し全会一致で可決・成立した。

 10年ぶりの改定であり、女性労働者からの実効ある改正への期待も大きく、国会審議では、男女の賃金格差是正が遅れていることや、パートなど非正規労働者の増大、長時間労働などの実態が明らかになった。しかし、「仕事と生活の調和」を法の目的・理念に明記すること、「間接差別」の省令での限定列挙をやめ例示列挙にすべき、雇用管理区分を廃止すること、賃金を均等法に加えることなどは議論が平行線をたどり、審議が充分であったと言いがたいことは遺憾である。
 こうしたなか、否決されたとはいえ、全労連の均等法改正要求が盛り込まれた民主・共産・社民・国民新党4党の共同修正案が提出された意義は大きい

 法案の修正はできなかったが、間接差別の限定列挙反対の声を反映し、「間接差別は厚生労働省令で規定する以外にも存在しうるものであること、及び省令で規定する以外のものでも、司法判断で間接差別法理により違法と判断される可能性があることを広く周知し、厚生労働省令の決定後においても、法律施行5年後の見直しを待たずに、機動的に対象事項の追加、見直しを図ること」など11項目が附帯決議に盛り込まれた。

全労連は、均等法の実効ある改正を要求し、(1)「仕事と生活の調和」を目的・理念に盛り込む。(2)差別的取扱い禁止項目に「賃金」を加える。(3)指針の「雇用管理区分」を廃止する。(4)間接差別の禁止を狭める省令での限定列挙ではなく、指針での例示列挙とする。(5)ポジティブ・アクションを「義務」規定とすることなどを求めてきた。

 全労連は、今後、省令、指針の策定に向けて、現場の労働者の声を反映し、男女平等に資するものとなるようとりくみを強める。均等法は、パートなど非正規労働者にも適用されることをはじめ改正均等法の周知徹底を求め、男女賃金格差是正、均等待遇実現、女性も男性も仕事と家庭を両立させ人間らしく働くルールの確立、実効ある「男女雇用平等法」の制定を求めて引き続き奮闘する。

以 上