【全労連事務局長談話】

与党、民主党の国民投票法案の国会提出に抗議する(談話)

― 撤回・廃案の大波を全国から ―

全国労働組合総連合
事務局長 坂内三夫


 自公両党と民主党は26日午後、憲法改正の具体的な手続きを定める国民投票法案を衆議院にそれぞれ提出した。1月に開会した第164国会は会期が残すところ20日余りしかない中での法案提出は唐突であり、国民主権の原則をないがしろにするもので提出自体があってはならないことである。国民が望みもしない国民投票法案を会期末になって急きょ提出したことは、改憲多数派の憲法改悪への飽くなき執念を示す暴挙であり断じて容認することはできない。

 提出された与党案と民主党案は、自民、民主が昨年発表した改憲案を実現するためのものであり、自公民が共同提案をするべく協議を重ねてきたことから多くの共通部分を持っている。投票年齢や過半数の成立要件などいくつかの相違点も国会審議のなかで修正可能とされるものである。事態はきわめて緊迫したものとなっている。

 報道によれば、来月1日の衆院本会議で両案の趣旨説明と質疑を行い、実質審議入りする見通しと伝えられている。1947年の日本国憲法施行後、初めて国会で憲法改正に関連する国民投票法案が議論されることは、改憲への地ならしを本格的に進めるものである。

 一部マスコミは、「今国会での成立は困難」との見方を伝えているが、憲法を変えて日本を戦争する国にするための改憲案が明らかになっているもとで国民投票法案が提出されてことの意味は重大であり、撤回・廃案をめざす意外にない。

 全労連は、自民、民主の改憲案に対する批判と、国民投票法案の問題点について徹底的に国民的に明らかにする大規模な宣伝・署名・学習・対話活動をつよめ、教育基本法改悪法案とともに法案の撤回・廃案を求め職場と地域から戦後史の総力をあげてたたかう。

以上