2006年4月10日

【談話】

防衛庁長官 
 額賀 福志郎 殿

米軍基地の名護市への「新沿岸案」強制の撤回を要求する

全国労働組合総連合
議長 熊谷金道


 沖縄・普天間基地に代わる米軍新基地建設問題で、政府と島袋名護市長は7日夜、名護市のキャンプシュワブ沿岸部に2本の滑走路を建設する「新沿岸案」で合意した。この合意は、政府・防衛庁が4月中の「最終合意」を最優先する立場から名護市長の態度変更を強引に迫った結果と言わざるを得ず、沖縄県民の「基地のない平和な沖縄」を願う心を踏みにじるものである。

 今回の合意は、第1に「沿岸案」よりも基地の規模をはるかに巨大化し、恒久化することになり、米軍の殴り込み機能をいっそう強化するものであり、到底許されない。第2に、着陸用と離陸用の滑走路を2本建設することは、離着陸にともなう米軍機の進入、離陸のルートが増えることを意味し、かえって爆音や事故の起きる可能性が高くなることは明白である。第3に、今回の合意は、「沿岸案」よりも海上へ広く押し出す形で基地が建設されることになり、海の埋め立て面積が増え天然記念物のジュゴンの生態や周辺海域への影響は大きくなる。

 全労連は、沖縄の普天間基地の即時撤去とあわせて、名護への米軍新基地建設計画を撤回することをつよく要求する。また、日本をアメリカの先制攻撃戦略に深く組み込み、米軍基地の再編強化・恒久化、米軍と自衛隊の一体化を押し進め、憲法九条を変えて日本をアメリカとともに戦争する国にする先取りとも言える日米「最終合意」の破棄をつよく要求する。

以上