【談話】

米軍・自衛隊の軍事一体化と世界的規模での軍事展開めざす

日米安全保障協議会「中間報告」を断じて許さない

2005年10月31日
                                 全国労働組合総連合
                                 事務局長 坂内三夫


 日米両国政府は、10月29日ワシントンで日米安全保障協議会、いわゆる2プラス2を開催し、在日米軍再編の中間報告に合意した。

 「日米同盟 未来のための変革と再編」と題するこの中間報告の本質は、米軍・自衛隊の軍事的一体化を計り、アメリカが世界で引き起こす戦争に実質的に自衛隊が世界規模で参戦することを宣言したものである。この「中間報告」は、第一に米軍・自衛隊間の「役割・任務・能力」の分担、第二に役割分担にもとづいた具体的な「兵力再編」の二つの柱からなっている。「役割・任務・能力」の柱では、具体的には地球規模での軍事協力の強化と後方支援、民間空港・港湾の軍事利用を可能にした「有事法制を反映」する共同作戦計画の検討。「兵力再編」では、横田基地への共同統合運用調整所の新設と航空自衛隊司令部移転、キャンプ座間への米陸軍と陸上自衛隊の新司令部設置など米軍と自衛隊の軍事一体化が飛躍的に強化されようとしている。また、沖縄の米軍基地再編については、普天間基地に変わる最新鋭の基地をキャンプ・シュワブ沿岸に建設することが明記されている。さらに報告は、こともあろうに米海兵隊のグアム移転費用さえも日本政府へ求めている。

 「中間報告」の合意は、平和を求める世界の世論に逆行するばかりか、日本もまたアメリカ同様、世界からの孤立の道を歩むものであり断じて容認することはできない。

 見過ごすことができないのは、この「中間報告」が憲法9条を改悪し、自衛軍明記、集団的自衛権容認の自民党の「新憲法」草案発表など今日の改憲策動と深く連動したものであることである。「中間報告」の具体化は、改憲なくして実現不可能である。その意味で、情勢は、いま在日米軍の再編・強化反対、日米軍事同盟を廃棄する闘いと憲法改悪を許さない闘いを一体的に闘うことを強く求めている。

 全労連は、当面する11月5日横田集会、「憲法改悪反対・大増税は許さない」11.19国民大集会、そして11月26日の神奈川座間の大集会を大きく成功させ、引き続き改憲策動を許さぬ取り組みを強化するとともに、「中間報告」に基づく在日米軍再編・強化と米軍・自衛隊の軍事一体化を許さぬ闘いに全力を挙げ奮闘する決意を表明する。

                            以上