【談話】

小泉首相の靖国神社への参拝に断固抗議する

2005年10月17日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内三夫


 小泉純一郎首相は17日午前、靖国神社の秋季例大祭にあわせて参拝した。首相の参拝は04年1月1日以来で、通算5回目となった。

 今年に入ってから小泉首相の靖国参拝をめぐっては、同神社に第二次世界大戦のA級戦犯が合祀(ごうし)されていることから中国、韓国が反発し、4月には中国で大規模な反日デモが起こり、6月には河野洋平衆院議長が呼びかけ歴代首相5氏が「首相の靖国参拝は慎重に」と申し入れていた。

 加えて9月30日には大阪高裁判決が小泉首相の靖国参拝を憲法20条の定める政教分離原則に反するとして違憲判断を下していた。それにも関わらず抜き打ち的な参拝を強行したことは、憲法の平和原則に違反する小泉首相の反動的な本性を示したものである。

 小泉首相が、今回の参拝にあたって参拝形式を変え「私的参拝」を強調し、「不戦の誓い」や「未来志向」などの立場を述べようとも、靖国神社がA級戦犯を「昭和殉難者」扱いし、第二次世界大戦を正しい戦争だったと宣伝することを存在理由とする靖国神社の本質は変わらない。このような靖国神社へ参拝を続けることは、どのように侵略戦争への反省を口にしても、中国や韓国をはじめとする国際的な信頼を得られないことは明瞭である。

 しかも、11月にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、12月にはクアラルンプールで東アジアサミット、盧武鉉・韓国大統領の訪日を控えているだけに従来以上の抗議と反発を惹起することは明らかであり、その責任はひとえに小泉首相にある。

 全労連は、首相の靖国参拝に強い憤りをもって抗議するとともにかつてなく行き詰まったアジア外交を打開するために憲法改悪に反対し、とりわけ第9条の改悪にストップをかけるために全力をあげるものである。

以上