【談話】

日歯連汚職事件について

2004年4月15日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫


  1. 14日夜、東京地検特捜部は日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の不正経理にからみ、日本歯科医師会の臼田会長ら7人を贈収賄容疑で逮捕した。
     この事件では、2月の日歯連に対する政治資金規正法違反容疑で捜索を進められてきたが、今回、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)を舞台に診療報酬をめぐる贈収賄がおこなわれたことが明らかにされたものである。

  2. 今回の事件は、中医協という厚生労働省所管の協議会でおきたという厚生行政の根幹にかかわる重大事件である。さらに逮捕者7人の中に現在、年金改悪法案審議で乱脈・不正ぶりが問題となっている社会保険庁の下村元長官がふくまれていることは、あらためて厚生労働省官僚の天下りと社会保険庁の腐敗の実態が明らかにされた。
     また、収賄容疑で健保組合側の連合・加藤副会長が逮捕されたことは労働者代表も汚職に手を染めたという点で誠に遺憾である。

  3. 全労連は今回の贈収賄事件が厚生労働省所管の協議会の場でおきたという点を重視し、年金改悪法案の撤回と出直しを求めるものである。同時に、日本歯科医師会や厚生労働省自ら事実を明らかにし、国会の場を通じて事件の徹底解明を求めるとともに、2度とこのような事件をおこさぬよう厚生労働行政の刷新を強く求めるものである。