【談話】

2004年度予算案の成立にあたって

2004年3月26日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫


 2004年度予算案が、3月26日午後の参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。予算案は、一般会計総額が2003年度当初予算比0.4%増の82兆1109億円。政策的経費の一般歳出は0.1%増の47兆6320億円だが、公共事業など主要経費を軒並み削減した実質的な緊縮型予算である。税収は41兆7470億円とほぼ03年度並みとなっている。
 政府予算案は、年金制度改革、国・地方財政の三位一体改革などを盛り込んであり、今年から3年間かけて新たに年間3兆円の国民負担増、国庫補助金・地方交付税の削減など地方自治の破壊と住民サービスの大幅後退などをもたらすものである。また、イラク派兵費用を盛り込んであり、憲法違反のイラクへの自衛隊派兵を進める内容となっている。
 全労連は、国会で意見表明するなど抜本的組み換えを要求してきた。

 今回の予算案は、年金大改悪など、雇用と勤労国民の所得が落ち込んでいるもとでの巨額の負担増は、家計消費をさらに冷え込ませ、景気回復の足を引っ張ることになる。国民負担増の一方で、大企業に対しては、連結納税付加税の廃止や法人税の欠損金繰越期間の延長など優遇措置が目白押しとなっている。
 構造改革「三位一体改革」と称する地方税財政の見直しでは、3兆8千億円もの地方向け財源を切り捨てる内容となっており、税源移譲が削減分のわずか12%というもとで各地の自治体で当初予算案も組めないという悲鳴が上がっている。「三位一体改革」は福祉や教育にたいする国の責任を放棄し、地方自治体と住民に負担を押し付けるものである。「三位一体改革」は根本から見直し、地方自治の拡充につながる権限と財源の移譲が必要である。

 今後、通常国会の焦点は、年金制度改革や有事関連7法案などをはじめ国民生活や日本の平和、憲法に関わる重要法案の攻防に移る。
 全労連は、国民の8割が政府案に不安を感じる年金改悪阻止をはじめ悪法に対して4・15年金ストライキなど国民的総決起をよびかけ、年金改悪法案廃案など、悪政に対決し、全力でたたかうものである。